アルピーヌA110復活!! 伝説のフレンチスポーツは今もホットだ


■250psと侮るなかれ!! ブレーキの快感は最高

やはり、量産車ベースで巧みにスポーツカーを仕立てるのが、アルピーヌのお家芸というわけだ。

その代わりというわけではないが、ハンドリングとブレーキングはいかなる基準を持ってしても「ファンタスティック!」としか言いようがない。

いまどき250psでは絶対的な加速はそれほどめざましいものではないが、その速度エネルギーを殺すブレーキフィールの素晴らしさといったら、ちょっと他に比べるものがない。

ブレンボのキャリパーはガツーンと効くがコントロールしやすい。排気音も男らしいが周囲を脅かす類の音質ではない

軽量だからよく止まるといった単純なものではなく、リア荷重が大きいことによる減速時のバランスの良さ、ソリッドでコントロール性抜群のペダルフィール、絶妙なタッチで介入するABSなど、まさに「ブレーキングそれ自体が喜び」と言いたいほどに気持ちがいい。

これだけブレーキフィールが良ければ、減速からコーナリングへ移行する過渡域もスムーズそのものだ。

ステアリングレスポンスは過度にクイックではなく、いわゆる「切れは切っただけ」素直に反応するタイプだが、ロードインフォーメーションの正確さがピカイチ。

ハードにブレーキングしつつターンインといった厳しい状況でもフロントのグリップ感が手に取るようにわかるし、そこでブレーキ踏力をわずかに増減してフロントタイヤのグリップを探るようなデリケートな操作にすら正確に応えてくれる。

ドライバーの操作に対してこれほど超精密なレスポンスで応えてくれること自体が驚きなのに、それが十分以上にコンフォータブルな乗り心地/居住性と両立しているのがまた驚異的。

ハンドリングにすべてのリソースを投入したロータス・エリーゼのダイレクト感と、高い完成度を誇るボクスター/ケイマンの洗練ぶりが両立している、そんな印象なのだ。

鈴木氏が所有していたA110。甦った現代のA110にもご満悦のようだ

じつを言うと、ぼくは35年ほど前にオリジナルのアルピーヌA110(1300VC)を購入し、15年ほど所有していたことがあるのだが、旧A110オーナーを持ってしてもこの新型は期待以上の仕上がりと断言できる。

単なるノスタルジー趣味ではなく、栄光の時代を築いたオリジナルA110のエッセンスを、きわめて洗練されたカタチで蘇らせてくれたのが本当に素晴らしい。思い出バイアス抜きに、ここ10年で最高のスポーツカーと評価したいと思います。