■アメリカのPHEV市場では独走状態だったトヨタRAV4とトップ争い中
トップモデルであるルビコンの試乗車に乗り、最低地上高27.4cmに加え、フロアから座面まで30cmのシートに腰掛けると抜群の視界が目前に広がる。
これに加えて見きりのいい角ばったボディによって、混雑した市街地での走行は容易に感じられる。
ステアリング左に並んだドライブモードスイッチは「エレクトリック」「ハイブリッド」「eセーブ」で、まずはエレクトリックモードを選択して市街地へ入り込む。
ここでは最大0.25Gまでのブレーキング回生を行うワンペダルドライブも可能だ。
ただし、シャシーセッティングは相変わらず固めで、前後リジッドサスペンションのために荒れた路面ではけっこう揺すられ、ショックもやや大きい。
やがてハイウェイでハイブリッドモードに切り替えるが、8速ATを介したモーターとICEの協調はスムース。
車重はスタンダードよりも454kgも重い、2.3トンにもかかわらず、逞しい加速を見せ、法定速度70マイル/時(約112km/h)で軽快なツーリングも可能。ブレーキ回生においても不自然さは見られなかった。
ちょっとばかりオフロード気分も味わおうと、ハイウェイを下りて未舗装路へ入る。そこは採石場へ続く道で、大型トラックによる深い轍が続いていたが、余裕のある地上高とアプローチ/デパーチャーアングルのおかげで難なくクリア。
さらにオンデマンドフルタイム4WD「セレックトラック」も素晴らしいトラクションを見せてくれた。
ラングラー4xeはその逞しい外観の中に、環境への優しさを内包した心優しいマッチョなアメリカンヒーローのようなクルマで、アメリカ中西部に暮らし、環境破壊による竜巻などの異常気象とガソリンの高騰に怯える私ならずとも一家に一台は欲しくなる存在だった。
事実、昨年の発売以来、アメリカ市場では引っ張りだこで、PHEV市場では数年前から独走していたトヨタRAV4とトップ争いをしているほどである。
●ジープ ラングラー 4xe(欧州仕様)主要諸元
・全長×全幅×全高:4882×1894×1894mm
・ホイールベース:3008mm
・車両重量:2313kg
・エンジン形式:直4DOHCターボ+モーター
・排気量:1995cc
・エンジン最高出力:272ps/5250rpm
・エンジン最大トルク:40.8kgm/3000rpm
・システム出力/トルク:380ps/65.0kgm
・トランスミッション:8速AT
・EV走行時航続距離:約34km
・アプローチアングル/デパーチャーアングル:44度/35.6度
【番外コラム】続々と電動化が進むジープブランド
ジープのPHEVは日本にレネゲード4xeが上陸しているが、海外ではコンパスやグランドチェロキーの4xeも登場済み。
また、ラングラーには、EVながら6速MTを備えたコンセプトカーも発表されている。
【画像ギャラリー】アイコンとしての「威厳」は変わらず! ジープラングラーPHEVモデル「4Xe」をギャラリーでじっくりチェック!(13枚)画像ギャラリー
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