わかりやすい個性のハリアー

ハリアー PROGRESS(FF)/全長×全幅×全高:4725×1835×1690mm、最低地上高:160mm、エンジン:2L直4ターボ(231ps/35.7kgm)、JC08モード燃費:13.0km/L、価格:405万円
ハリアーはどうか? この車、始祖をレクサスRXに持つが、今や日本専用車。トヨタも「300万円超えの高額車」と認識している。結果、コテコテの高級感を訴えるエクステリアとインテリアにした。
さらに、高級感をお買い得プライスで味わえるターボなし2000㏄と、燃費訴求のハイブリッド、そしてハイパワー勝負の2000㏄ターボという3つの違う味つけを用意したから凄い。
加えてベースが2000㏄級のDセグメントということで、CR-Vやフォレスターよりひと回り上の車格を持つ。カムリを見るとすべての点でカローラより上級の部品を使っている。車格違うとボディサイズが大きくなるだけでなく品質まで変わってくる、ということ。
CR-Vとハリアーを乗り比べたら、誰でも「ぜんぜん質感が違いますね」と感じることだろう。さらにアメリカの影響を受けていないため、ブレッド&バター(悪くいえば実用車)になろうとしていない。
唯一突出していないのが自動ブレーキ性能。トヨタの新世代「セーフティセンス」の前のタイプで、フォレスターと横並び。CR-Vと比べたら歩行者の対応能力でわずかに届かない。この点さえカバーできたなら、すべての点で優位になると思う。
3台の長所&短所と今買いのNo.1ミドルSUVは?

ハリアーは今回のテスト車以外に2LガソリンNA車、2.5Lハイブリッド車、CR-Vは2Lハイブリッド車、フォレスターは2.5LのガソリンNA車をラインナップ。これにCX-5のディーゼルを加えると、ミドルSUVでは多彩なパワーユニットを選べる
また、今回の企画では3車種の比較としたが、実際のバイヤーズガイドになると自動ブレーキ性能でクラストップのマツダ CX-5や、抜群の経済性能を誇るアウトランダーPHEVなども候補に入ってくる。
総合性能で考えると、2018年10月11日の年次改良で自動ブレーキ性能をさらに改善した(夜間の歩行者も対応)CX-5がこのクラスでナンバーワンの実力を持っています。
以上まとめると、CR-Vの長所は毎日乗って不満のない実用車であること。短所は同じクラスのライバルと比べたら下を見て50万円くらい割高な価格。
実力(人気と考えてもいいです)より高価だと中古車になった時の値下がりが激しく、リセールバリューも厳しい。これ辛いワな。また、3列シート車を選ぶと、3列目シートの居住性が相当厳しい点です。
フォレスターの長所もCR-V同様、実用性持つことに加え、素晴らしい4WD性能。短所は個性や特徴の薄さ。「飛び道具を持っていない」と言い換えてもOK。
ハリアーの長所はわかりやすい個性や飛び道具を持っていること。短所を挙げるなら若干車両価格が高いことながら、手放す時のリセールバリューが圧倒的に高いため、弱点になっていないかもしれません。ということでハリアー強いと思う。
※テスト時は未発売ながら、マツダ CX-5は10月11日の改良で注目の2.5Lガソリンターボ車を追加。こちらに関しては改めて試乗し、その実力をお伝えします。
◆3車の採点/国沢光宏
トヨタ ハリアー/90点
スバル フォレスター/70点
ホンダ CR-V/60点

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