クラウン「ニュルで鍛えただけのことはある」
乗り心地がいいね。こういう車はタイヤがよじれるような走り方をすると設計者に失礼なような気がしちゃう(笑)。でも、走りをニュルで鍛えたというんだったら、ちょっと試しますか。
うん、イケますね。ゆっくり走って快適なうえに、攻め込んでも充分に対応できている。
強いて言えば、ステアリングの接地感が少し薄いのと、若干リアに腰高感があるけれど、車の姿勢や落ち着きはたいしたもの。荷重をかけたぶんストロークするけれど、急には沈まず、姿勢を保とうとしながら動いている感じなんです。ダンパーのセッティングがいいんでしょうね。
欧州車のボディ剛性はどっしりした感じですが、これはそういうのではなく一体感が感じられます。軽快さがあって、クルマとドライバーがひとつになれる感覚です。
車重は1870kgもあると思えないし、クルマ全体が小さく感じられる。これは前後のバランスが取れている証拠なんですよ。
ダイレクト感を出したというハイブリッドは、う〜ん、そんなふうには感じないかなぁ。攻めて走っていると、エンジンブレーキとモータートルクの立ち上がりに遅れを感じるけど、普通に走っている時のトルク感、レスポンスはまったく問題ないですよ。
ただ、個人的にはクラウンにはこういう走りよりも、ゆったりした高級感が欲しいかな。スポーティにしたいという開発陣の狙いは達成できていると思いますけどね。
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採点は90点で「これはいい!」となった。しかし、96点以上の「参りました」まではいかない。
鈴木利男に「参りました」と言わしめた車は?
冒頭で触れた基準では、96点以上が「参りました」となるので、残念ながらここまでテストした最新国産車3台の中には該当車なし。
この後、最終兵器としてマクラーレン 570GTを送り込んだものの、こちらの採点も95点であと一点足らず。
利男氏は、その理由を「サスペンションとエンジンのフィーリングが最高ではないから」と評した。
ちなみに、「過去、参りましたと思った車は?」と利男氏に聞いたところ、「丸目のゴルフ」と返ってきた。
GTIではなく普通のグレードで、しっかり路面に追従する柔らかなサスペンションが素晴らしかったとのこと。
「足はフワフワだし、パワーも全然ないんだけどね」とニコニコ顔。
そっちだったのか!
◆テスト車 採点まとめ
【1】マクラーレン 570GT/95点
【2】クラウン 3.5ハイブリッド/90点
【3】スイフトスポーツ/85点
【4】ロードスター RF/70点
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