新型クロストレック、ボディのしっかり感は特筆もの! クローズド試乗で徹底チェック!!

■「元気のいいスバル車の走り」ではなかったが……

日本サイクルスポーツセンターでのクロストレック試乗時の筆者。果たしてそのクローズドコースでの走りは……?
日本サイクルスポーツセンターでのクロストレック試乗時の筆者。果たしてそのクローズドコースでの走りは……?

 試乗といきましょう。といっても試乗車はプロトタイプであり、2L水平対向DOHCにモーターをつけたe-BOXERのスペックについて、エンジンパワーは公表されていない。

 ただ、クロストレックの車重は1540~1620kgで、先代XVのe-BOXERが車重1530~1550kgだったことを思うと、少し重くなっている。4WD同士だと新型は70kg重くなっているのだが、新型クロストレックで最軽量モデルとなるのはFF車だ。

 Dレンジをセレクトしてアクセルを踏むと、過不足なく走り出す。スバルといえば元気のいい走りをイメージするかもしれないが、今や厳しくなるいっぽうのCAFE規制(企業平均燃費)クリアのため、燃費の悪いハイパワーユニットを搭載できない。

 こう書くと「トヨタや日産、ホンダなどは高性能エンジン車を出しているじゃないか」と思うだろう。CAFEって企業「平均」燃費であり、燃費のいいハイブリッド車やコンパクトカーの多いメーカーは燃費の悪いクルマを出しても問題なし。

 スバルの場合、フルハイブリッドもコンパクトカーもないため、極めて厳しいのだった。WRX S4とレヴォーグの2.4Lターボで売り切れです。

 プロトタイプということからエンジンスペックを公表していないが、ユニットとしてはXVと同じ2L簡易式ハイブリッドのe-BOXERと共通。最高出力や最大トルクは先代と同じく145ps/19.2kgm+モーター13.6ps/6.6kgm程度だと思う。

 車重1550kgの現行XVより重くなっていることを考えると、動力性能で少しばかり皆さんの期待を下回るかもしれない。2Lのミニバンの走りをイメージしていただければ間違いないかと。

■とにかくよく曲がるクロストレック!

ボディの剛性感は同時に試乗した先代XVから明らかに向上したことが実感できるレベルに達していた。筆者もステアリングを握りながらコーナリングでの走りのよさに思わずにんまり
ボディの剛性感は同時に試乗した先代XVから明らかに向上したことが実感できるレベルに達していた。筆者もステアリングを握りながらコーナリングでの走りのよさに思わずにんまり

「曲がる性能」は文句なし! 新しいクロストレックは4WDとFFを選べるが、どちらもよ~曲がる。車体性能は圧倒的に高いだけに、完璧な「足がパワーに勝っている」というクルマになった。

 もちろん、Wピニオンがもたらすステアリングフィールは抜群! これでザックスのダンパーなど使っていれば、欧州のプレミアムブランドと真正面から勝負できる乗り味になると思う。

今回のクロストレックから初採用された広角単眼カメラ。今後は上級のレヴォーグなどのアイサイトXにも追加していくことは可能だという
今回のクロストレックから初採用された広角単眼カメラ。今後は上級のレヴォーグなどのアイサイトXにも追加していくことは可能だという

 安全面では低速域のみ左右方向の視認性を確保するため、アイサイトに広角の単眼カメラを追加した。国内のスバル車では初採用となり、詳細なスペックを公表していないものの、一段と安心できるクルマになっているに違いない。

 これはクロストレックの開発責任者である毛塚紹一郎PGMにも伝えたのだが、少しばかり残念なのは突出した魅力を持っていないこと。アメリカで売っている一段と車高をアップし、オフロード対応タイヤ履かせた『ウィルダネス』バージョンを強くリクエストしておく。

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