スーパーカーは好きですか? 当編集部は大好きです!! 百年に一度の変革期にあって「社会におけるクルマの位置づけ」が変わりつつあるなか、「趣味としてのクルマ」はそうした世間の風潮とは隔絶した世界観のなかで、それでも進化を続けています。
21世紀のスーパーカーはどんなふうに進化しているのか?? 自動車評論家の石川真禧照氏がじっくりしっかり動画付でお届けする当連載。今回は、世界中で高い人気を誇るトヨタのクロカンSUV「ランドクルーザー300」の最上級グレード「ZX」をご紹介する!
●やっぱり「スーパーカー」が好き!! 自動車生活探検家・石川真禧照のスーパーカーワールド一覧
文/石川真禧照、写真/萩原文博、動画/吉田海夕、コペル
【画像ギャラリー】内外装も大きく刷新!! 高級感溢れるランクル300をギャラリーでチェック!(24枚)画像ギャラリー■14年ぶりのフルモデルチェンジ、デザイン・装備も一新!
ランドクルーザーは1951年8月にトヨタの4輪駆動車として誕生した。そのスタイリングはジープ系のクロスカントリー4WDだった。まだSUVというカテゴリーはなかった。デビュー以来、70年間、ランドクルーザーは地球上のほとんどの大地に輸出され、生活の重要な足となってきた。とくにその信頼性の高さと耐久性の長さは他国の同型よりも確実に勝っていた。これまで累計1060万台、年間30万台以上のランドクルーザーが世界170ケ国で活躍している。
今回、14年ぶりにフルモデルチェンジしたランドクルーザー300系は、5ドアのワゴンボディを基本にしている。ボディ構造はこれまでのラダーフレーム式構造を流用しているがTNGAの思想に基づいて手を加えている。サイドレールとクロスメンバーの一部に、板厚で、素材の異なる鋼板をレーザー溶接で接合し、用いている。
ボディに関しても高張力鋼板の拡大採用やボンネット、ルーフ、全ドアパネルをアルミニウム化するなどで、旧型に対し約200kgもの軽量化を実施した。
プラットフォームの刷新に伴ない、サスペンションも新設計された。フロントはハイマウント・ダブルウィッシュボーン、リアはトレーリングリンク車軸式を新開発。とくにリアサスはショックアブゾーバーの位置を考慮、乗り心地と操安性を向上させている。試乗した「ZX」にはショックアブゾーバーの減衰力を4輪独立で制御するAVS(アダプティブバリアサス)に、新たにリニアソレノイドタイプを装着した。
このほかにランドクルーザーならではの新機構として油圧式パワステに電動式の操舵アクチュエーターを組み合わせたり、電子制御ブレーキシステムを採用している。
後輪のトラクションを確保させるためには、トルセンLSDを採用した。
こうしてオフロード走破性向上のための改良を受けた新型ランドクルーザーだが、スタイリングはラジエターと共にヘッドライトを高い位置に設け、新しいイメージを形成した。全長やホイールベースなどのボディサイズは先代を踏襲している。アプローチアングル32度、ディパーチャーアングル26度も同じだ。オフロード性能では最大安定傾斜角44度、登板能力45度、最大渡河性能700mmを確保している。
パワーユニットはV型6気筒ツインターボの3.5Lガソリンエンジンと、3.3Lディーゼルエンジンが用意された。ガソリン仕様は新開発。ディーゼルは各部の構造見直しと最適化を実施している。組み合わされるミッションは10速ATを用意した。
走行支援機能、マルチテレインはAUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEPSNOW/ROCKの6モードで、駆動力、サスペンション、ブレーキ油圧を自動で統合制御する。4WDモードはH4/L4。通常のトルク配分は前40:後60と、後輪寄りのセッティングだ。
ドライブセレクトモードはダイヤル式で、ECO/COMFORT/NORMAL/SPORT・S/SPORT・S+/CUSTOMが選べる。この選択はトランスファーがH4のときにできる。
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