■いざ試乗! オンロードでの走りの評価はいかに?
前置きが長くなったがいよいよ試乗だ。試乗車は最上級グレードの「ZX」ディーゼル仕様。メーカー希望小売価格760万円はノーマル仕様の中でもっとも高額なモデルだ。
エンジンスタート! とスタートボタンを押すが、3.3Lディーゼルツインターボは始動しない。実は新型ランドクルーザーは、最新のセキュリティを搭載している。
指紋認証スタートスイッチをトヨタ車として初めて採用したのだ。スタートボタン中央に指紋センサーが内蔵されており、ドライバーはスマートキーを携帯し、ブレーキを踏みながらスタートボタンの指紋センサーにタッチすると、車両に登録された指紋情報と照合し、一致するとエンジンが始動する、というものだ。
運転席は高めだが、さらに良い視界を得ようと高くすると、チルトハンドルが限界の高さになってしまう。前方視界は良い。ボンネットの中央部の凹みのあるデザインが最近のクルマにはない風景だ。
走り出しはH4、AUTO、NORMALの各モードを選択する。
3.3Lディーゼルターボはアイドリング時のガラガラ音も小さく抑えられている。これは室内でも車外でもあまり変わらない。防音対策は入念に行なわれている。
Dレンジでスタート。ツインターボディーゼルは1500回転からトルクが太く、わずかなアクセルの動きで2.5トン以上の車体をグングン引っぱる。60km/hは7速1200回転。100km/h巡航では10速1300回転だ。
加速性能も0→100km/hは7秒台。決して鈍足ではない。全長5m、全幅2mの巨体が全開で加速するのはかなり迫力がある。気になったのは全開時からの減速。ブレーキはフロントにベンチレーテッドディスク、リアもディスクブレーキを装着しているのだが、踏力が重めで、初期制動もやや甘めなのだ。さらにサスペンションもブレーキング時のノーズダイブが大きめ。これは高速時だけでなく、街中走行でも同じ。このノーズダイブは改良点だ。
今回は試すことができなかったが、おそらく本格的なオフロードやラフロードになるとこのサスペンションは本領を発揮するのかもしれないが、都会的なオンロードではもう少し締まったサスがほしいところだ。
ハンドリングはNORMALモードではコーナーでアンダーが出やすかった。COMFORTやSPOR・Sも同じ。コーナーでの操舵力もやや重め。大きなボディをもて余し気味だった。
室内は左右、上下ともに余裕の空間。座面の表皮はややすべり気味。2列目はスライドはしないベンチシート。試乗車は2列シートの5人乗り。ディーゼル仕様は5人乗りだけの設定で、7人乗りはガソリン仕様のみ。
2列目は背もたれが4/6で分割前倒しできるだけでなく、座面ごとダブルホールドで広い荷室になる。実用車としても十分に通用する。おそらくこのクルマが最大の性能を発揮するのは中東の砂漠やロシアの荒れた荒野だろう。日本で乗るなら、個人的にはもう少しサスを硬めて乗りたい。
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