スバルは2023年4月25日からレヴォーグを対象としたソフトウェアアップデート、「SUBARU Active Damper e-Tune」(価格:工賃別3万3880円)を発売する。足回りを変更するロムチューンだが、その試乗インプレッションを国沢光宏氏がお届けする!
文/国沢光宏、写真/池之平昌信
■ロムチューンで足回りの味付けを変更!
レヴォーグのSTI Sportに『e-Tune』とネーミングされたディーラーオプションが追加された。おそらく日本で初めてとなる「サスペンションの電子制御プログラムを上書きして違う味付けにする」という内容。料金は工賃込みで約4万円となり、作業時間は30分ほどとなるようだ。
一方、ボルボにはエンジンと変速機のプログラムを上書きして最高出力を上げたり、変速タイミングをスポーティにしたりする『ポールスター』というメニューがある。
いわゆる「ロムチューン」と呼ばれるもの。ボルボのポールスターの場合、足回りについちゃ変わらず。レヴォーグは電子制御ダンパーのプログラムを上書きすることにより、ソフト側はより柔らかく、ハード側はより硬くしているという。
私のような乗り心地フェチや、私が若い頃のような「硬いほど好き!」みたいな人からすれば、なかなか興味深いプログラムだったりする。果たしていかに?
■ノーマルのSTI Sportでも乗り心地はかなりいいのだが
試乗の前に少しばかりダンパーについて考えてみたい。最も乗り心地がいいのは、バネだけのサスペンションです。入力を素直に受けてくれる。ただ、バネだけだといつまでも動きが収まらず、ピョンピョンしちゃう。
そこで、ダンパーという注射器のような減衰力を作り出す部品と組み合わせる。注射器の出口が小さければ高い減衰力になるし、大きくすると低い減衰力になる。
一般的に速度域が低く、コーナーも攻めなければ低い減衰力が快適。逆に速度域が高く、ハイスピードでコーナーを曲がりたいなら高い減衰力が安定する。電子制御なしの普通のダンパーだと、低速域から高速域まで操縦安定性と乗り心地のバランスを取りながら、ちょうどいい減衰力を探る。ちなみにバネは重量を支えるだけの役割。どの程度の荷重をかけるかで決まってきます。
レヴォーグのSTI Sportは標準でザックス製の電子制御ダンパーを採用している。このダンパー、コンフォートを選ぶとけっこう減衰力が低い。普通のダンパーなら高速域で減衰力不足になるレベル。
じゃあ、速度域が上がったり、ハンドルを急に切ったりした時は不安定になるかといえば、電子制御なので自動的に高い減衰力へ切り替えているのだった。したがって相当乗り心地を重視している。
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