スバル期待のニューSUV、レヴォーグレイバック。先行受注開始を前に2023年8月末、新潟県の佐渡島でプロトタイプ試乗会が開催された。辛口で鳴らす国沢光宏氏のレイバックへの評価はどうだったのか、お届けしよう!
文/国沢光宏、写真/中里慎一郎、スバル
■なぜスバルは現行レヴォーグ登場時にこのクルマを出さなかった?
現行レヴォーグがデビューした時点(2020年)で、スバルの開発チームに対し、「クロスオーバーを作らないと厳しいでしょうね~」と伝えた。すでにステーションワゴンの時代は終わっており、レガシィツーリングワゴンの後継車を出しても売れると思えなかったからだ。
実際、2200台という月販目標台数に対し、初期受注分の納車が終わった2021年5月からの6カ月平均で1430台。デビュー直後から伸び悩んでしまう。
2022年11月の年次改良の際、目標を1550台に下方修正したが、それでも2023年の平均は月販1246台に留まっている。というタイミングで登場してくるのが今回試乗した「レヴォーグレイバック」というレヴォーグのクロスオーバーモデルだ。
レガシィに対するレガシィアウトバック、インプレッサをベースにしたクロストレックだと思えば間違いない。最初から出しておけばよかった?
■エクステリアデザインはもう少し頑張ってほしかったが……
普通のレヴォーグとの違いはクロスオーバーの文法どおり。すなわち最低地上高を大幅に高くし、フェンダーアーチモールを加え、前後のバンパーの意匠をオフロード風にするというもの。
具体的に書くと、全幅はフェンダー分でレヴォーグから+25mmの1820mm。地上高はレヴォーグより55mm高い200mm。クロストレックと同じにしている。雪道や悪路の走破性を確保しようとすれば充分なクリアランスを持つ。
そんな説明の後でエクステリアを見たのだけれど、個人的な印象からすれば「少し踏み込みが足りませんね」。せっかくクロスオーバーを作るのなら、もっとハイライダー風(車体が路面から高い位置にある感じ)にしてもよかったと思う。
今やクロスオーバーは世界中のメーカーが出している。スバルで言えばアメリカで販売している、アウトドアテイストを強化した「ウィルダネス」シリーズくらいの元気さがあったらよかった。
それはなぜか。おそらくレヴォーグのユーザーか、熱烈なスバルファンじゃないと、路上で見かけた際、レヴォーグかレイバックか見分けられないと思うからだ。イコール「インパクトに欠ける」ということ。今からでも遅くないのでウィルダネスを用意すればいい。私のマーケティング、けっこう当たりますよ(笑)。
コメント
コメントの使い方試乗予約入れてきました。
外観は、もう少し頑張って欲しかったというのは記事に同意です。
SUV的な変更が少ないまま車高上がってるので、WISHやストリーム的なミニバン感がある。
なのでアウトバックというよりエクシーガの後継的。乗ってどう印象変わるか楽しみ