筑波1分3秒ってマジか!! ヒョンデの「N」はコーナーもいい!! 発売間近のアイオニック5「N」徹底試乗でわかったEVのアジ

筑波1分3秒ってマジか!! ヒョンデの「N」はコーナーもいい!! 発売間近のアイオニック5「N」徹底試乗でわかったEVのアジ

 ラリージャパンでも大規模ブースを出展したヒョンデ。日本市場への力の入れようは相当なものだ。もちろんいろいろとイメージ的な不利な部分はあるのも事実だが、その性能は現状ではかなりのもの。今回スポーツラインの「N」を試乗した。これ、かなりいいってマジですか?

文:国沢光宏/写真:西尾タクト

■「EV=直線番長」からの脱却

ヒョンデアイオニック5は面白さも感じるモデルだという
ヒョンデアイオニック5は面白さも感じるモデルだという

 多くのクルマ好きが「電気自動車は面白くない」と言う。実際、ポルシェ・タイカンすらハンドル握ると、良い意味じゃない方の「電気自動車ですね」と思う。テスラに乗ったって速いけれどクルマの面白さという点で薄味だ。

 数年前から「なんでだろう?」と考えていたのだけれど、クルマ文化の新興国になる韓国のヒョンデが作ったアオイニック5のスポーツモデル『N』に乗ったら目覚めた。

 今までの電気自動車、直線番長です。コーナーを速く曲がることより、アクセル踏んだ時のパンチを追求してきた。これ、昔からクルマ好きにとっちゃ魅力薄い。というか単純である。クルマ好きの美学を思い返すと,古今東西「パワー不足を補うコーナリング」だ。私世代のクルマ好きからすればロータスヨーロッパだし、もう少し下の世代だとランエボやインプWRX。そしてGT-Rですね。

試乗は助手席、後席を含めてサーキット10周以上。かなり攻め込んでもEV特有の感覚を忘れるほどという
試乗は助手席、後席を含めてサーキット10周以上。かなり攻め込んでもEV特有の感覚を忘れるほどという

 アイオニック5の面白さは、エンジン車と同じ価値観で電気自動車の高性能車を狙ったことにある。実際、限りなく市販車に近い右ハンドルの最終試作車は、電費や騒音レベルをクリアした標準タイヤでの筑波サーキットラップが1分3秒6だったそうな。グリップ重視の高性能タイヤなら1分2秒台前半くらい出るだろう。こらもうGT-Rのレベルだ。

 前置きはこのあたりして試乗と行きましょう! まずドライビングシートに座りコクピットドリルを受けると、すでにウナる! 選べる項目が山ほどあるのだった。走り関係で言えば、当然ながらスポーツモードを用意してあり、聞けばシーケンシャルシフトのような変速ショックあるという。こいつに疑似エンジン音をかぶせると面白いらしい。もちろんシームレス&無音だって選べる。

■ドグミッション風な変速も楽しい

さまざまなモード選択もできる。サウンドや駆動配分なども自由自在
さまざまなモード選択もできる。サウンドや駆動配分なども自由自在

 前後にモーターを持つため、前後の駆動力配分も自由に選択可能。後輪駆動やFFのような挙動を作り出せる。とてもじゃないが1回の試乗(スパ西浦サーキットを10ラップ出来たけれど、まだ足りません)じゃ全て試せず。とりあえず「変速ショックありのV8エンジン風の音が出てよく曲がるヤツ」を選択してコースイン! するとどうよ! 最初から驚いてしまっている!

 アクセル全開するとまるでクロスレシオの競技車両のように「カツン。カツン」というドグミッション風の軽いシフトショックを伴いながら0~100km/hで3.4秒という猛烈な加速が始まる。速いだけでなく、こいつに少なからぬエンジン音も載ってくる!

 けっこう上手な演出になっており、高性能エンジン車に乗ってるのと全く同じ気分だ。すでに電気自動車かどうか忘れてしまった。

 ブレーキ踏むと大径のブレンボがガッツリと減速Gを出す。電気自動車は床下に強固なバッテリーケースを置くためボディ剛性高い。加えてブレーキだけでなくダンパーやタイヤも欧州のスポーツモデルが使っているのと同じメーカー。サスペンションのセッティングは、おそらく経験豊富なテストドライバーによるものだろう。軽い前荷重でハンドル切ると、見事に&気持ちよく曲がっていく。   

 車重は決して軽くないものの、重いバッテリーを車体の中央床下に搭載しているため、Z軸周りのモーメントは極めて小さく、全く重さを感じさせずフロントノーズは向きを変えていく。アンダーステア無し。

 コーナーのアペックス手前からアクセル踏んでいくと、前後の駆動力配分の選択により前から曲がって行く感じと,後ろから曲がって行く感じを出せる。コーナーの大きさや、アクセルの踏み加減などいくつか試したところ、私の好みはニュートラルだった。

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