■大排気量NAエンジンの魅力
770psを発生する12気筒エンジンは低速域からトルクフルで高回転まで回せる。8500回転まできっちり回してシフトアップすると最大トルクが発生するエンジン回転数付近につながり、空気の壁をたやすく破っていく。
過給機エンジンとは異なり大排気量NAエンジンは、有り余るパワーでも意外と扱いやすい。猛牛のような暴力的な加速を4輪駆動と優秀な電子デバイスが制御してくれるので躊躇なくアクセルを床まで踏み込める。
車両重量を感じさせない瞬発力を支えるのは優秀なトランスミッションがあるからこそ。
ISR(インディペンデント・シフティング・ロッド)トランスミッションは、俊敏なシフトアップはもちろんシフトダウンにおいてもドライバーの意のままに応えてくれる。
優秀なパワートレーンはスーパースポーツカーを名乗るうえで必須アイテムになっているが、バカッ速なクルマで重要なのがブレーキ。
SVJにはフロント6ポッド、リア4ポッドキャリパーが備わり、ブレーキタッチは市販車というよりGT3マシンに近い。
100-0km/h減速距離は30m。体感的にはもっと短い距離で止まっているイメージだけど、車重が軽量であれば制動距離はさらに短くなるはず。
以前、「SV」をJARIの高速周回路で全開走行したことがあるが、メーター読みで軽々320km/hオーバーしていた。その際、高いスピード域での空力のよさが際立ったが、SVJはさらに高速安定性が増している。
近年、ランボルギーニが取り組んでいるALA(アエロディナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ)をさらに進化させたALA2.0が極めて高いスタビリティと空力性能を実現させた集大成モデルと言ってもいい。
2021年7月に発表された最後のアヴェンタドールLP780-4ウルティメ(最後の1つ)もあるので機会があったら試乗レポートをお届けしたい。
■SVJに搭載されたL541型エンジンってどうなの!?
SVJに搭載されたL541型エンジンはL539型をさらに進化させた。排気量は歴代アヴェンタドール同様6498ccだがエンジン内部のパーツに最先端素材と技術が投入され770psを発揮。
ヘッドカバーがゴールドに塗られているところも特別なモデルだという証。メーカーが公表した最高速は350km/h以上。
実際にドライブした感覚は、その数字は嘘ではないと確信するほどエッジの効いた鋭い加速感に優れたエンジンフィーリングだった。
V12気筒で8500rpmまで回せる高回転ユニットではあるが低速域からのトルクも力強く電子デバイスなしでの全開走行は遠慮したい。
エキゾーストノートはご機嫌で自然吸気エンジン時代のF1マシンをドライブしている感覚にさせてくれる。この醍醐味はNAエンジンでなければ体感できない。
Lamborghini AVENTADOR SVJ 主要諸元
・全長:4943mm
・全幅:2098mm
・全高:1136mm
・ホイールベース:2700mm
・車両車重:1525kg(Dry)日本仕様1820kg
・駆動方式:MR
・エンジン:6498cc 60°バンクV12気筒MPI
・最高出力:770ps/8500rpm
・最大トルク:73.42kgm/6750rpm
・トランスミッション:7速ISR
・タイヤ:F)255/30ZR20 R)355/25ZR21
・0-100km/h加速:2.8秒
・最高速度:350km/h
・生産台数:900台(Coupe)
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