■12.3インチモニターで内装もいいぞ
また、加速度センサーからドライバーの運転意図を読み取り、パワートレインの応答性やブレーキバランスなどを最適化することでスポーツドライビングのみならず運転しやすさや乗り心地の良さにも寄与する加減速制御が新たに盛り込まれた。これらは下山テストコースでの走り込みが大いに反映されているという。
新しいUXを走らせたのは、その下山テストコース。一応プロトタイプという触れ込みながら、見た感じはほぼ市販スペックという仕上がりだ。その内装回りではメーター回りが12.3インチの液晶パネルとなり表示情報量が増えたほか、シフトレバーが電気式となり、センターコンソール回りがスッキリしたのがわかる。
250hから300hへの進化のほどはと乗り込んでみると、まずもって乗り心地や静かさといった快適性方面の項目が随分とリファインされていることが伝わってきた。UXの試乗自体が久し振りだからかと、コースの傍らにあった従来型の250hを無理繰り乗せてもらい比べてみたが、進化の幅は著しいとまではいわずともはっきりと体感できる。
微舵からじわりとゲインが立ち上がり、上屋の無駄な動きが減って挙動がすっきりした、この辺りはシャシー周りの剛性強化による効果も大きいのだろう。
FFとAWDの動きの違いは、ちょっとしたコーナリングでも実感できる。後輪がきちんとグリップしながら踏ん張っていく感覚は、これまでのe−Four物件では得られなかった第五世代HEVならではのものだ。
FFの側もサラサラと向きを変える軽快感が特徴的だが、雪路などではAWDの蹴り出しは操る楽しさとしても際立ってくるはずだ。
初出時の300eは高速域での連続的な入力にリア側の接地感が追いつかずバタバタと跳ねるような足捌きが気になっていたが、新型では下山テストコースの過酷な路面をしっかりとトレースしながら走ってくれた。
これもシャシー剛性の向上と、それに伴う足回りの再チューニングによって得られた成果だろう。価格や航続距離という点においても、レクサスのラインナップ中で最も実践的なBEVとして存在価値が高まったように思う。
今回の動的なブラッシュアップは、ライバルに対峙する上でもLBXを迎える上でもあるべきものだったのだろう。このマイナーチェンジで、UXははっきりと鮮度を取り戻した。枯れるどころか、今が頂点という気さえする。
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