東京オートサロン2024で世界初披露された進化版GRヤリス。出力の向上や内外装デザインの大幅変更など、変更箇所を追うだけで一苦労なほどの進化を遂げたGRヤリスだが、肝心の走りは一体どうなのか!? サーキットで速攻試乗!!
文/国沢光宏、写真/西尾タクト
【画像ギャラリー】競技用サイドブレーキ新設定の本気ぶり!! 進化版GRヤリスを写真でたっぷりチェック(17枚)画像ギャラリー■大幅改良を受けたGRヤリス
多くのメディアで紹介されるだろうGRヤリス2024の試乗レポート、絶賛の内容になると思う。全く異論ないのだけれど、スポーツモデルって簡単じゃない。
現行のヤリスGRと比べ圧倒的に良いかとなれば「その通り!」と答えるほど簡単じゃないのだった。だからこそポルシェ911だってデビューから57年経っても改良を続けてます。以下そんなことをイメージして読んで頂きたく。
今回変更された点を紹介していくとそれだけで終わってしまいそう。
リストを見ると多岐にわたっているが、大半はモータースポーツに出場した時の課題。全日本ラリーとかだと、パワステのモーターすらオーバーヒートしちゃうのだった。
一般道を走って感じる大きなところでいえば、GRカローラと同じ304馬力になったエンジン、ボディの剛性アップ、メーターパネルの景色くらいか?
■進化すれば新たな課題も……
前置きはこのあたりにして試乗と行きましょう。まず従来モデルでGRヤリスに乗って再確認する。袖ケ浦サーキットを全開で3ラップしただけだと何ら不満なし。
30馬力ほど上がったパワーに魅力を感じるのなら、20万円も出せば300馬力を余裕で超えるロムチューンキットが多数出ている。導入すればいいと思う。現行のGRヤリス、今でも良いクルマです。
続いて2024モデルに乗り換える。アクセル全開でコースインすると、なるほど改良を受けた項目はしっかり効果を出せている。
例えばシフトフィールが良くなった。現行モデル、少しばかりゲート甘く、左右方向の重さも課題を抱えておりサーキット走行などで強い横G掛かった状態でのシフトミスを招いた。ステアリングフィールも向上しており、現行より微細な路面感覚を掴める。
ブレーキフィールは一段とカッチリしており、これまた荷重コントールをしやすくなってます。
大いに感動して「素晴らしい!」とペースアップしていくと、ここがスポーツモデルの面白さなんだけれど、次なる課題も見えてくるのだった。タイヤ性能ですね!
サスペンションの受け止め能力を高めたため、さらに高い速度でコーナーを曲がれるポテンシャルを得た。
当然ながらタイヤ性能を上げないと、ドライバーの期待値より早いタイミングでアンダーステア出てしまう。本来ならワンサイズ大きくするか、食いつきの良いコンパウンドにしたいところ。
されど今や騒音規制などあるため、そうもいかない。だとすれば大型の空力付加物など付けてダウンフォースで対応すればいい--みたいな「欲望」がムラムラと湧き出してきちゃう。
このあたり、GRヤリスのテストドライバーでもある大島選手に聞いたら「そうなんです。このレベルのクルマになるとサーキット毎のベストセットが違ってきます。もちろん袖ケ浦サーキット用のベストセット、ありますよ~!」だって。
次回、試乗会をやるなら、市販車ベースでベストのアライメントにした車両を用意して欲しいとリクエストしておきました。だからクルマは面白い!
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