今見ても美しい!! 5ドアクーペルックのBMW3シリーズ320iグランツーリスモ試乗プレイバック

今見ても美しい!! 5ドアクーペルックのBMW3シリーズ320iグランツーリスモ試乗プレイバック

 BMW3シリーズに新しいバリエーションが加わった。グランツーリスモ(GT)というリアゲート付きの5ドアだ。日本への導入は2013年6月が予想されるこのモデルに、自動車評論家 石川真禧照氏が一足早くイタリアで試乗した(本稿は「ベストカー」2013年5月10日号に掲載した記事の再録版となります)。

文:石川真禧照

■3シリーズセダンを凌ぐコーナーの安定感に好印象!

BMW 320iグランツーリスモ
BMW 320iグランツーリスモ

 今回、日本導入を前にイタリアのシシリー島で行なわれたプレス試乗会でハンドルを握ってきた。

 実車は日本で見る3シリーズセダンやワゴンよりも大きく見えた。それも当然で、ホイールベースは110mm、全長も119mm、幅は28mm、高さは81mmも大きいのだ。

 この長いホイールベースは中国向けの3シリーズセダン用と同じ長さという。

5ドアHBとしてのリアビューが特徴的な3シリーズGT
5ドアHBとしてのリアビューが特徴的な3シリーズGT

 この3シリーズGTを国産車と比較してみると、全長はクラウンよりもやや短いが、ホイールベースは70mmも長い。幅は28mm、高さは48mmも大きい。

 ボディを大きくした理由を開発責任者に聞いてみると、GT(グランドツーリング=大陸間旅行)をするのにいまの3シリーズよりも直進安定性や乗り心地、リアシートの快適性を高めたほうがいい、という判断から。

 走り出す前にリアシートに座ってみると確かに広い。運転席に身長180cmの人が座っても後ろに170cmの人が座れる。

3シリーズGTのラゲッジルームはワゴンのツーリングよりも広大なのが特徴
3シリーズGTのラゲッジルームはワゴンのツーリングよりも広大なのが特徴

 全高も高いので、頭上のスペースもタップリ。フロントシートの背もたれも小ぶりなので、閉所感もなく、これなら長距離の移動でも疲れは少なそうだ。

 ちなみにリアシートは1クラス上の5シリーズセダンよりも広いそうだ。

 このリアシートは4:2:4の割合で分割でき、可倒する。ラゲッジスペースは奥ゆき1040mm、左右幅は950~1250mmなので、ワゴンよりも広い。

 試乗したのは、335iと320d。335iの直進性とコーナーでの安定感は3シリーズセダンよりも安定している。

石川氏は3シリーズGTについて「直進性とコーナーでの安定感は3シリーズセダンよりも安定している」と評価
石川氏は3シリーズGTについて「直進性とコーナーでの安定感は3シリーズセダンよりも安定している」と評価

 唯一気になったのはリアシートでの細かい左右の揺れ。重心が高くなったことで発生するようだ。

 エンジンはこのほか直4の2Lターボ、184ps(320i)と245ps(328i)がある。

 もう1台の試乗車は320d。直4の2Lディーゼルターボ、184ps+8速ATだ。こちらは日本への導入は今のところ予定されていないというのだが、参考までに乗ってみると低回転からのトルクの太さとスムーズな加速、音の静かさが好印象。

 GTカーとしてはこちらのほうがベストな組み合わせのように思えた。

 日本市場への導入はガソリンエンジンのみで当面はFR車のみだが、年末には4WD車も加わる予定だ。

■BMW 320iグランツーリスモ 主要諸元

・全長:4744mm
・全幅:1828mm
・全高:1541mm
・ホイールベース:2920mm
・車両重量:1380kg
・エンジン形式:直4 DOHCターボ
・総排気量:1997cc
・最高出力:184ps/5000rpm
・最大トルク:27.7kgm/1250~4500rpm
・予想日本導入時期:2013年6月

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