米国生産車の輸入手続き簡素化制度導入の恩恵を受けて、インテグラタイプSが日本市場へやってくる。注目度抜群で興味深い一台だが、2026年後半まで待っていられないのでオーナーさんにコンタクトし、ご厚意にて試乗機会を得た!!
※本稿は2026年4月のものです
文:橋本洋平/写真:小塚大樹/Special Thanks:yuto
初出:『ベストカー』2026年5月26日号
政策に振り回されるもクルマ好きには朗報!?
ホンダは2026年後半からアキュラ インテグラとパスポートを発売する。国土交通省が新たに創設した、米国製乗用車に関する認定制度を活用した結果だ。
振り返れば2025年4月、日本の自動車と自動車部品はアメリカにおいて25%の追加関税が課された。その後、日米関税交渉が行われ15%に留めることができたが、そこで日本がアメリカに差し出した条件のひとつが、前述した認定制度を導入することだった。
世界はトランプ大統領に振り回されっぱなしの一年だったが、この話だけはクルマ好きにとって朗報。左ハンドルで、北米仕様といわれる前後のオレンジとレッドのサイドマーカーなどが、日本でそのまま堂々と乗れてしまうのだから。ひとまずトランプ大統領に少しは感謝しとくか!?
日本の公道で実現! インテグラを初試乗
難しい話はこれくらいにしておいて、今回はそんなアキュラ インテグラに試乗する。クルマはホンダの導入を待ちきれず、いち早く輸入してしまったという方からありがたくお借りすることができた個体だ。
オーナーさんは、いまはなき青山のホンダウエルカムプラザやオートサロンでの展示をわざわざ見に行きゾッコン。お父さんはむかしDC2インテR乗りで、自身もDC5インテ・タイプSに乗っていたという生粋のインテ好き。しかも友人たちは北米仕様の並行輸入車に乗る人が多く、本物の北米仕様が欲しかったという。
実車を目の前にするとその感覚もわかる! グラマラスなボディラインとクーペスタイルの低く伸びやかなルーフ。インテリアはブラックアウトされ落ち着いた演出が行われているインテグラタイプSは、上級ブランドのアキュラだと感じさせてくれる仕上がりだ。
ドライバーズシートに収まれば、スポーツカーにしてはゆったりとした感覚のシート幅が好感触。ガチガチスポーツじゃなく、肩肘はらずに乗れそうだ。
肝心の左ハンドル仕様は、左のミラーが拡大鏡になっているところが違和感としてあるが、これぞ北米仕様って感覚もあり許せるか? パンチングレザー巻きのステアリング、16スピーカーを装備して広がりあるサウンドを実現。一見ホンダ車だが、きちんと違うところがエライ。
【画像ギャラリー】コレが日本にやってくるカッコインテグラのデティールだ! シビックタイプRとの違いを写真でじっくり比較!(24枚)画像ギャラリー兄弟車とは思えない明確な味付けの違い
走り出して感じるのは吸排気音が明らかに兄弟車のシビックタイプRと違っていること。吸気音は豪快に吸い込んでいる感覚があるほどで、排気音は一段野太いとでも言えばいいだろうか?
グッと踏み込んでからアクセルオフをすると、排気側から通称バブリングと言われているバラバラとする音色が入ってくるから心地いい。そもそもタイプSなのだからタイプRよりは大人しい仕上がりであってよかったはずなのに、もはや逆転現象が起きている。
けれどもシャシーはタイプSのエンブレムを掲げるだけあって、スポーツモードに入れたとしても可変ダンパーはそれほど引き締めていない。シビックタイプRでいうところのノーマルモードくらいの感覚で、ストリートにおける快適性をしっかりと確保している。
突起やうねりも不快感なく受け止める。コンフォートモードを選択すればしなやかさはかなり高まり、シビックタイプRでは得られない世界になっていく。重厚感あふれるしなやかな乗り味。ちょっとオトナの贅沢な仕上がりだ。シートもタイプRに比べて明らかにゆったりソフトな印象。くつろげる点もありがたい。
シビックに軍配が上がるのはリアの頭上空間とラゲッジへのアプローチがしやすいこと、そしてやはりサーキットにおける走りか!?
パーツを見比べてみればマフラーはシビックより若干太いようだし、エアクリーナーボックスも少し大きかった。レギュレーションの違いに合わせるだけでこれだけ作り変えねばならないのかと改めて思い知らされる。小さな設計の違いがコストに跳ね返ってくるのは間違いない。全世界共通にしてくれたらいいのに!
けれども今回いろいろあって“ないものねだり”解消は大歓迎。やはりトランプ大統領に感謝か!?




























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