2013年5月、ジャガーのモデルオールラインアップ試乗会が開催された。欧州勢がダウンサイジング過給に目覚めるなか、ジャガーもその例外ではなく各モデルに小排気量ターボエンジンとスーパーチャージャーエンジンを設定した。果たしてその乗り味は如何に?(本稿は「ベストカー」2013年5月26日号に掲載した記事の再録版となります)。
文:ベストカー編集部/写真:平野 学
■各車でダウンサイジングを敢行!
まず2013年モデルの概要だが、ハイライトはダウンサイジングされた小排気量ターボエンジンとスーパーチャージャーエンジンが設定されたことだ。
例えば、これまでXFにはV6、3L DOHC(238ps/29.8kgm)が搭載されていたが、直4、2Lターボ(240ps/34.6kgm)に変更。
また、従来の5L、V8をV6、3L SCに変更し、燃費を向上させている。
また、XKを除いた全モデルに新開発のZF製8ATを搭載。
2Lターボ以外でインテリジェントストップスタートシステムを導入し、全シリーズで5%の燃費向上を果たしている。
●ジャガー2013年モデルの変更点
・新型エンジン2種類の導入……直4、2L直噴DOHCターボエンジン/V6、3LDOHCスーパーチャージャーエンジン
・ZF製新開発8速ATの導入
・インテリジェントストップスタートシステムの採用
・英国「Meridian」製オーディオシステム採用
■XKR-S
最初に試乗したのは550ps/69.3kgmを誇るV8、5L SCを積む最強モデルだ。
アクセルを踏み込むとV8らしからぬ甲高いエキゾーストノートを響かせ、トラクション性能の高さが加速時にはビンビンと伝わってくる。
これだけのスーパースポーツでありながらジャガーらしい乗り味も両立。
■XKRクーペ
こちらはXKシリーズの2番手モデル。とはいえ、V8、5L SCは510ps/63.7kgmのハイスペック。
乗り出すとXKR-Sほどの過激さはないが、わずか2500回転で最大トルクを絞り出す低速域での扱いやすさが特に印象に残った。
■XF2.0プレミアムラグジュアリー
新設定の直4、2Lターボを搭載するXF。1750回転で最大トルク34.6kgmを発生するこのターボエンジンは1760kgというXFの重量級ボディを軽々と走らせ、高速域ではEセグメントセダンらしいしっとりとした走りを味わえた。
■XJ2.0ラグジュアリー・XFR
XJのベーシックグレードながら強力で軽量な2Lターボのおかげで、走りにはまったく不満なし。8ATとのマッチングも絶妙で、走りのなめらかさは街乗り、高速とも感じられる。
XFRはXFの最強バージョンで、フロントマスクもふさわしい獰猛さを演出。「ジャガー版M5」といった雰囲気を感じさせるが、その走りも圧倒的にパワフル。510ps/63.7kgmのパワーユニットの威力を体感できる。
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