氷点下の旭川テストコースで、ヨコハマの最新スタッドレス「iceGUARD 8(アイスガード エイト)」を徹底試乗。従来モデルのiceGUARD 7(アイスガード セブン)比で接地面積8%アップ+新開発の吸水素材「水膜バスター」を配合した「冬ピタ吸水ゴム」の効果で、氷上の“止まる・進む”が向上したという。一方で圧雪スラロームでは操舵の奥で見えるニュアンスも。現地で体感した長所と課題を、繊細なセンサーの持ち主である新井大輝選手がレポートする!!
文:新井大輝/写真:横浜ゴム、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】アイスガード8とアイスガード7を比較!! トレッドパターンの違いをチェック!!(20枚)画像ギャラリーアイスガード8の注目すべきポイント
2月上旬、北海道は旭川で行われたヨコハマアイスガード 8の試乗会へ行ってきました。人生初のヨコハマの旭川テストコースで様々な車種を乗りまくって“氷上”や“雪上”路面でのインプレッションを行い、テストドライバーが評価している路面状況を再現しての試乗会でした。氷上試験は本当に興味深かったです。
まずは前日入りでアイスガード 8の座学を行い、実際に今までのアイスガードの歴史的な変遷と技術的な進化の過程を交えての話はエンジニアの視点から聞いても面白いものです。
アイスガード 8は先代のアイスガード7に比べて接地面積を8%向上させて、新開発の吸水素材「水膜バスター」を配合した「冬ピタ吸水ゴム」を採用したことによって従来よりも吸水量が8%向上しており、コンパウンド自体も柔らかく氷上でも雪上でもグリップが向上しています。
さらに、従来モデルよりもシリカを増量して、ウェットやドライ路面での性能を確保し、新素材のオレンジオイルS+を配合したことによって、極低温でのゴムの柔らかさ、つまり氷上の効きを4年後も維持できるようになっているとのことでした。
試乗前日の座学で聞いた話では、タイヤのエッジを増やすとトラクションは改善します。エッジを増やすと、相反して接地面積が減少するため氷上のグリップは落ちてしまうのだが、アイスガード8は接地とエッジを高次元でバランスさせ、冬ピタ吸水ゴムがさらにレベルを上げているらしいです。なるほど勉強にはなります。
しかし、技術的にポジティブを見つけ出すと、一方ではネガティブが発生してしまうもの。百聞は一見にしかずということで実際に運転するまではすべての情報を鵜呑みにはしません(笑)。
駆動の異なる4車種でアイスガード8を試した
さて翌日になり、旭川のテストコースでいざ体験。用意されている車両はFF、FR、4WD、EVと幅広いラインナップ。まずはハンドリング路という中速メインのワインディングを走行しました。
ステアリングを切ってすぐにドライバーへ伝わるグリップのフィーリング、素直に応答して切った方向へ高いトラクションを維持した状況で進んでいくことに驚きます。
その日の気温は-2℃だったので、雪が緩んで気持ちよく走行するには厳しいコンディションでしたが、日常的には当たり前に遭遇する路面状況であるため、スタッドレスの評価をするという観点からは申し分ない評価路面であったと感じます。
気温は下がれば下がるほど雪が締まり、グリップは安定して乗りやすい路面になります。
おそらくヨコハマ側も気持ちよくグリップした印象を残したまま帰って欲しいという想いは強かったはずです。私が試乗会を開催するなら絶対そうします。
前日の座学で言っていた通り、ハンドリング路と言う中速メインの雪上ワインディング路では、優れた性能を体感できました。しかし4つ評価メニューのうちの1つ目で性能のすべてを判断してしまうのは時期尚早なので、他の3つすべてを評価したうえで決めようかと思います。


























コメント
コメントの使い方