日本のエネルギー事情が変わる可能性を秘めた「天然水素」。その真実を確かめるべくクラウンFCEVで辿り着いた白馬村には、日本で唯一の天然水素温泉として知られる「白馬八方温泉」がある。取材を進めていくと、天然水素が新エネルギーになり得る強い説得力があった。
文:ベストカー編集部 鈴村朋己/写真:望月勇輝
【画像ギャラリー】クラウンFCEVのバックに広がる北アルプスの絶景を目に焼き付けて!!(29枚)画像ギャラリー白馬八方温泉が告げるエネルギー新時代到来の可能性
白馬村の澄み切った空気のなかで、私はある種の「ズレ」を感じていた。日本のエネルギー問題を一変させる可能性を秘めた天然水素。だが、道の駅で出会った地元の人々の反応は、驚くほど静かなものだった。
歴史を塗り替えるかもしれない「黄金の鍵」は、まだこの静寂な山村の日常に深く、静かに埋もれている。
しかし、その沈黙を破る場所がひとつだけある。日本で唯一、源泉から天然水素が直接湧き出している場所、「白馬八方温泉」だ。私は、この地の未来を担う八方尾根開発株式会社のリゾート課、水野量祥氏を訪ねた。
同社は1960年代のスキーブームと共に歩み始めた、創業60年以上の老舗企業 。白馬八方尾根スキー場の運営や温泉の供給など、地域の観光を支え続けてきた歴史を持つ 。地元の情熱によって引き継がれてきたこの温泉には、科学さえも後回しにするほどの圧倒的な「力」が宿っていた。
「実は、最初から水素を狙って掘削したわけではないんです」と、水野氏は少しはにかみながら語った。
「白馬八方温泉は、蛇紋岩という特殊な地層が広がる場所に位置しています 。この岩石が地下水や熱水と反応することで、高アルカリ性の泉質とともに、副産物として水素ガスが発生する。世界的にも極めて珍しい現象です 」
かつて東京工業大学の研究チームが調査した際、この地の水質が「生命が誕生した約46億年前の地球」の環境に酷似していることが判明 。同時に天然水素の存在が裏付けられたのだという 。
指先から伝わった天然水素の将来
白馬八方温泉のなかでも、源泉にもっとも近い露天風呂が「おびなたの湯」だ 。pH11を超える日本屈指の強アルカリ性で、天然水素を含有する「美肌の湯」として、近年は外国人観光客からも高い注目を集めている 。
「天然水素を感じられるチャンス」。期待に胸を昂らせながら、水素探知機の電源をON。暖気を終えて、静かに湯面へと近づける。
次の瞬間、0だった液晶の数値が少しずつ跳ね上がった。目に見えるものではないし、匂いがあるわけでもない。けれど、地球は確かにここで息をしている。科学が「白銀の希望」の存在を証明した瞬間だった。
続いて天然水素の感触を確かめるべく、そっと湯に手を浸す。驚くほどの感覚が指先に走った。肌に馴染むかのように柔らかく、そして滑らかだったのだ。
まるでシルクのベールを纏ったかのよう。少し触れただけで肌はツルツルになり、細胞の一つひとつが潤いに満たされていく感覚がある。
「最大の魅力は、高アルカリ泉によるピーリング効果と、水素を含む抗酸化作用のダブルの効果と言われています。お客様からは、肌が驚くほどスベスベになり、体の芯から温まって湯冷めしにくいと喜ばれています 」と水野氏。
今から10年以上前、世間では水素水ブームが起きた。八方尾根開発ではその価値を信じて早くから発信を続けてきたという 。そして今、エネルギーとしての水素に注目が集まるなか、その入り口として温泉が果たす役割はさらに大きくなっている。



































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