■氷上でもクリッピングポイントにつける超性能
明ければドピーカンの快晴。気温はマイナス5度ほどにキリッと冷えて、早朝の女神湖は最高の氷上走行日和でわれわれを迎えてくれた。ただでさえ、走りが楽しいFRのBRZ。そこに、いま手に入る最高レベルのアイスグリップを誇る“アイスガード7″の組み合わせだ。
これが面白くないはずがない。まずは、VSC、TRCなど、すべてのスタビリティ制御デバイスをオフ。滑りまくる後輪との格闘をひたすらエンジョイする。
本当を言うと、真面目にスタッドレスタイヤの限界性能を評価するなら、ABS作動時くらいの低いスリップ率で大人しくテストすべきなのだが、女神湖にFRスポーツを持ち込んでおいてソレは野暮というもの(編注:一度走り始めるともう楽しくてたまらないんです)。
BRZの後輪は常に滑りっぱなしで、女神湖のコースを横向きに滑ってゆく。正直に言って、これがめちゃめちゃ楽しい。ただ、こんな走らせ方をしていても、他車と乗り比べれば“アイスガード7″の実力が見えてくる。
FRだからテールを滑らせて向きを変えるのは容易だけれど、クリッピングポイントに着けるか否かは前輪のグリップ如何。リアが暴れていても、“アイスガード7″を履いたBRZは明らかにアンダーが少なく、アクセルワークに気をつけさえすれば確実にクリッピングポイントを捉えることができるのだ。
こういう氷上グリップの実力をブレーキング側に振り向ければ、ミラーバーンの交差点でもきっちり停止できるし、それが安心感につながる。普通のファミリードライバーにとって、“アイスガード7″は楽しいというより頼りになるタイヤなのだ。
つまり、優れたスタッドレスタイヤは、ガンガン滑らせてもヨシ、安全を優先して慎重に走ってもヨシ、ということ。BRZを滑らせてただ遊んでいただけではなく、“アイスガード7″の進化と真価について、われわれもちゃんと考えていたのでございますよ、ほんと。
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