アウトランダーPHEVが好発進をきった。存在感のあるエクステリア、そしてアウトドアのみならず災害時などにも対応できる高性能なプラグインハイブリッドシステムに大きな支持が集まっているようだ。
さらに三菱自動車の大きなDNAでもある四輪駆動システム、AWC(オール・ホイール・コントロール)技術が評価されていることは間違いない(初代パジェロからランエボXまで出るあのテレビCMに胸が熱くなりますよね……)。
そこで今回は極寒の氷上コースである女神湖(長野県)で氷上試乗を敢行しそのAWD性能を丸裸にしてみました。ベテランジャーナリストが楽しくてクルマからなかなか降りてこなかった試乗の様子をお伝えします。
文:鈴木直也/写真:池之平昌信【PR】
【画像ギャラリー】すべてをコントローラブルに!! 三菱が誇る圧巻の氷上性能を目撃せよ(8枚)画像ギャラリー■環境性能だけじゃない三菱のプラグインハイブリッドの真髄
アウトランダーPHEVの評判がすこぶる高い。
ぼくが初めて試乗したのは昨年秋の袖ヶ浦フォレストだったが、サーキットをガンガン攻めてもまったく破綻をきたさない走りっぷりに大いに感銘を受けた。
アウトランダーPHEVの駆動システムは、エンジンが発電して前後2つのモーターがそれぞれ前後輪を駆動するハイブリッド4WD。ハイブリッドの分類としてはシリーズ型になる(ただし高速巡航時の燃費効率を高めるエンジン直結モードを備える)。
モーター出力を向上し制御範囲を従来型から拡大、さらにブレーキAYC制御を後輪側にも採用し、四輪のタイヤ能力をバランス良く活用したことも特筆したい。
スペックとしては、エンジンは2.4Lで最大出力98kW/トルク195Nm、フロントモーターは85kW/255Nm、リアモーターは100kW/195Nmというもの。
車重は約2トンとかなりの重量級だが、トルク値に余裕があるから静止からの加速やアクセルを踏み増した時のレスポンスはかなり印象的。パワーモードを選択すれば0→100km/hを8・2秒で加速するというから、絶対的にもかなり俊足といっていい。
このパフォーマンスをサーキットでフルに開放してみると、誰もが驚くのがあきれるほど高いスタビリティ性能だ。
トンでもないオーバースピードでコーナーに突っ込んだりしない限り、多少のブレーキ遅れやアンダーステアにはいたって寛容。姿勢が乱れても一瞬待てばブレーキ制御と前後トルク配分の調整でクルマは落ち着きを取り戻し、すぐドライバーのコントロール下に戻ってくる。
早いステア操作などで意図的にクルマのバランスを失わせてみても、ドライのサーキット路面ではヨーが発散しそうな危うさは皆無。どんなに振り回してもお釈迦様の掌で踊ってる孫悟空みたいで、自律的な安定性がめちゃめちゃ高いのだ。
言うまでもなく、この鉄壁のスタビリティは三菱が誇る“S-AWC”のおかげなのだが、その能力を確かめるにはやっぱり低μ路へ持ち込まないとモッタイナイ!
というわけで、今回は低μ路の極致である女神湖の氷上特設コースにアウトランダーPHEVを持ち込んで、その卓越した車両運動統合制御の進化を確かめてみることととなった。
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