■EV走行が気持ちよすぎ!! スムースさがイイ
3月中旬に実施したテストでは、まずガソリン満タン、そして満充電状態で都内をスタート。首都高からアクアラインを経て館山道君津PAまで、約60㎞をほぼ100%EV走行で走行後、PAの急速充電器でバッテリーをチャージ。
20分ほどで充電レベルが80%まで回復したところで走行を再開し、富津中央ICからもみじロード(県道182号線)経由で鴨川へ向かうルートをドライブした。
こんなシチュエーションで実感したPHEVの魅力は、対照的なふたつのキャラクターが一台のクルマの中に共存している面白さである。
まずひとつは、EV走行時の静粛性と滑らかなドライブフィールだ。電気で走っている時には、いかにも環境性能の優等生といった印象。なにかと自動車に対する風当たりが強い昨今、CO2排出ゼロという〝お墨付き〟は心強いものがある。
■PHEVでも充電に意味アリ!? 燃費も24km/Lをマーク
ちなみに今回のテストで、PAに設置されている急速充電器を利用して車載バッテリーのチャージを行なってみた。途中、BEVがやって来たので、充電器を譲るため20分ほどで切り上げたのだが、それでもバッテリーのSOCは20%→80%あたりまで上昇してくれた。この充電で50㎞ほどEV航続距離を稼いだことになる。
もちろん、理想的な使い方としては、自宅で一晩かけて満充電にしておき、ウィークデイは近距離ドライブを100%EVで走るのがオススメである。
だが時間に余裕があれば長距離ドライブ時に急速充電器を利用するのも悪くない。実際、この充電でEV走行の割合が増えた往路は、燃費計の数字は24㎞/Lあたりをキープ。CO2排出量削減には、こういう小マメな充電もアリということですね。
■アクセル全開で性格激変!? 内燃機関の良さも健在
一方、実はCX-60PHEVはちょっとした「ジキルとハイド」で、アクセルを深く踏み込むとガラっと性格が一変するのだ。2.5Lエンジンの188ps/25.5kgmに加えて、モーターが175ps/27.5㎏m。システム総合の最高出力は単純足し算にはならず、323ps/51.0kgmとなる。
Sportモードの選択とともにアクセル全開でこのパワーをイッキに解放すると、先ほどまでの環境性能の優等生といったイメージとはまったく異なるワイルドなキャラが姿を現わす。
エンジン回転の上昇とともにスポーティなサウンドが高まり、リニアなトルクカーブがトップエンドまで伸びてゆく。トルコンレス8速ATがシフトアップするたびに繰り返されるその加速フィールは「いかにも内燃機関」という趣で、EV走行時とは対極にある「エンジンの鼓動」を感じさせてくれるのだ。
走り方によって豹変するこのキャラクターの変化は、ほとんど「一台で二度美味しい」といってもいいレベル。
単なるエコカーではなく、走りの楽しさにしっかりこだわるマツダらしいPHEVに仕上がっているのが、CX-60PHEVの魅力と言えるんじゃないかな。
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