Hondaのハイブリッドは走ってよし!! 燃費もよし!!【人気HV連続試乗!!】

 Hondaのハイブリッド技術を、ステップワゴンスパーダハイブリッド、CR-Vハイブリッド、インサイトに連続試乗して徹底チェック。SPORT HYBRID i-MMDを乗って、走って、全方位解説。細かいメカニズムとコストに厳しい自動車ジャーナリスト、渡部陽一郎が見極めます。【PR】
文:渡辺陽一郎 写真:奥隅圭之
ベストカー2019年6月26日号より


■通常走行はモーターなので、運転はEV感覚

 日本ではハイブリッドの人気が高い。

 2018年(暦年)に国内で登録された小型/普通乗用車のうち39%がハイブリッドだった(少数のプラグインを含む)。

 メーカー別に見ると、 Honda はハイブリッド比率が高く、小型/普通乗用車の56%を占める。それだけにHondaはハイブリッドシステムの開発にも力を入れて、IMAからi-DCD、i-MMDと進化してきた。

i-MMD専用のインサイトに加え、CR-V、ステップワゴンなどにもi-MMD搭載グレードが用意されている

 特に注目されるのが設計の新しいi-MMD。エンジンは主に発電用モーターを作動させ、駆動は走行用モーターが行う。モーターは瞬発力が高く、アクセル操作に対して機敏に反応するから運転がしやすく感じられて走りも楽しい。モーター駆動だから電気自動車と同様に加速が滑らかでノイズも抑えられる。

 モーターが駆動することでエンジンは発電機の作動に専念できるため、燃費効率の優れた回転域を積極的に使える。

 例えば走行速度が低い場合、通常のハイブリッドではエンジン回転も下げるが、i-MMDなら効率のいい回転域を保てる。発電効率が高いことで余剰な電力が生じるが、これはリチウムイオン電池に充電しておく。電気が溜まれば、エンジンを停止させてモーターのみで走れるわけだ。

タウンスピードではモーター駆動でEVフィール。また状況に応じてエンジンが発電機を駆動して充電しながら走行。100㎞/h前後より高速はエンジン走行となる

 ちなみにトヨタのTHS-IIは、通常の走りでもエンジンとモーターの両方が駆動を担当する。高効率で燃費数値も優れているが、i-MMDに比べると、先に述べた瞬発力などモーター駆動の特徴は弱い。

 またハイブリッドシステムのなかには1個のモーターが駆動と減速時の発電を兼任するタイプもある。この場合i-MMDと違って発電とモーター駆動を同時には行えない。つまりi-MMDは、複雑な制御を可能にして効率を高めるシステムなのだ。

■高速道路ではエンジンで走る

 効率をさらに追求すると、100km/h前後から高速域で巡航する時はエンジンがホイールを直接駆動したほうが燃料消費量を抑えられる。そこでi-MMDはモーター駆動とは別に、高速巡航時にクラッチを締結させてエンジンが直接駆動できる機能も採用した。日産のeパワーはエンジンが発電機を作動させ、駆動はモーターが担当するハイブリッドだ。制御内容はi-MMDに似ているが、高速巡航時にエンジンがホイールを直接駆動する機能は備えておらず、常にモーター駆動である。

 このようにi-MMDはハイブリッドのなかでも先進的だ。発電とモーター駆動を同時に行うハイブリッドドライブモード、エンジンを停止させてモーターのみで走るEVドライブモード、エンジンが直接駆動するエンジンドライブモードを使い分ける。

 i-MMD搭載車はオデッセイ、ステップワゴン、CR-V、アコード、インサイトと幅広い。外部充電可能なクラリティPHEVもi-MMDをプラグインハイブリッド車用に最適化している。搭載車種が増えたこともあり、i-MMDも進化した。発電を行うエンジンの排気量は、ステップワゴンやCR-Vは2Lで、インサイトとクラリティPHEVは1.5Lだ。

 インサイトは燃費が特に優れ、JC08モード燃費はLXが34.2km/L、EXは31.4km/Lになる。WLTCモードは28.4km/Lと25.6km/Lだ。今回の試乗でもWLTCモードに近い燃費性能が発揮され、効率の高さを実感できた。

■レスポンスがシャープで加速が快適

 今回はi-MMDを搭載するセダンのインサイト、ミニバンのステップワゴン、SUVのCR-Vを使って運転感覚をチェックした。

 i-MMDの特徴は走りが上質なことだ。エンジンを作動させている時は発電を積極的に行い、リチウムイオン電池に効率よく充電する。そのためにエンジンを停止させ、モーターだけで走る時間も長い。静かで滑らかな運転感覚を満喫できる。

ステップワゴンのi-MMD。FFのみの設定だが3.5Lなみのトルクを発生する

 遮音も入念に行ったから、モーター走行の最中にアクセルペダルを踏み増してエンジンが始動してもノイズをほとんど意識させない。

 アクセル操作に対する反応は機敏だ。

 一般的なエンジン駆動ではアクセルペダルを踏み増すとエンジン回転が高まり、これに伴って駆動力が向上する。つまり時間差が生じるが、モーター駆動ではアクセルペダルを踏み増した次の瞬間には加速を開始する。従ってパワフルに感じる。

 インサイトのエンジンは1.5Lで、燃費を考慮したから、i-MMDのなかではモーターの動力性能が少し控え目だ。それでも加速力をノーマルエンジンに当てはめると2.5Lクラスに相当する。

インサイトはi-MMDのみ(純ガソリン仕様グレードは存在しない)

 ステップワゴンとCR-Vのi-MMDは、2Lエンジンと組み合わせて動力性能をさらに高めた。アクセルペダルを深く踏み込むと駆動力が一気に高まり、加速感は3Lエンジン並みだ。特に追い越しをする時は、モーターならではの高い瞬発力が発揮されて力強く感じる。

 インサイトとCR-Vでは、ステアリングホイールの両側にパドルタイプの「減速セレクター」が備わり、減速時のモーターによる回生充電の度合いを調節できる。ステップワゴンもセレクトレバーをSレンジに入れると、回生充電が強まる。この状態では、アクセルペダルを戻すと同時に積極的な回生が行われ、速度を大きく下げる。アクセルペダルの操作だけで、速度を調節できるわけだ。

CR-Vのi-MMD仕様には4WDも用意される

 またi-MMDは、フットブレーキとの協調制御も行う。Dレンジに入れた状態でブレーキペダルを踏んでも、回生充電量が増える。パドルを操作したり、Sレンジに入れなくてもいい。従来のエンジン車と同じように、ブレーキペダルを普通に使いながら走ってもi-MMDは高効率で、使い勝手も優れている。

 3車種の燃費結果は、表に掲載した通りだ。エアコンを切るような省エネ走行は行っていないが、WLTCモードに近い数値となった。

 以上のようにi-MMDは、フットブレーキの協調制御も含めて、多くのドライバーの実用燃費を効果的に向上させる。しかもモーター駆動だから、アクセル操作に機敏に反応してノイズは小さい。ホンダ車らしい楽しい運転感覚と、上質な走りをさまざまなカテゴリーで満喫できる。

■ステップワゴン スパーダハイブリッドの魅力

 ステップワゴンは車内の広い3列シートのミニバンなので多人数で乗車したり、3列目を畳んで重い荷物を積むことも多い。i-MMDはこの用途でも優れた効果を発揮する。通常のエンジンは低回転域で駆動力が下がるが、i-MMDではモーターの性能により発進直後から充分な加速力を得られる。多人数で乗車して急な坂道を登っても、パワー不足を感じない。車間距離を自動制御できるクルーズコントロールと相まって、高速道路の長距離ドライブも快適だ。ロングドライブでは実走行燃費のよさも大きな魅力となる。

■CR-Vハイブリッドの魅力

 CR-VはSUVなのでi-MMDで唯一4WDを用意した。電子制御式の多板クラッチは走行状態に応じて前後輪に最適な駆動力を配分する。さらに4輪のブレーキを自動制御してカーブを滑らかに曲がるアジャイルハンドリングアシストを4WD車にも設定した。内側の前輪を制動しながら後輪の駆動力を高める制御も行われ、峠道や雪道のカーブでも旋回軌跡を拡大させにくい。モーター駆動のi-MMDは低速から高速域まで高い動力性能を発揮するから、アジャイルハンドリングアシストとの相乗効果により、多くの場面でスポーティな走りを満喫できる。

■インサイトの魅力

 セダンは重心が低く、ボディ剛性を高めやすいから、ほかのカテゴリーに比べて走行安定性、乗り心地、静粛性などが優れている。フォーマルなカテゴリーでもあるから、走りの質が問われる。その意味でインサイトは、セダンを購入する人達のニーズに応えた。i-MMDはモーター駆動が中心だから加速が滑らかで、ノイズは小さい。カーブを曲がる時の安定性や街中での乗り心地も優れ、i-MMDはこの特徴を際立たせた。駆動用電池と制御機能を後席の下に搭載したから、トランク容量にも余裕がある。4名で乗車して荷物を積み長距離ドライブに出かけられる。

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