極東開発工業グループの日本トレクスが製造・販売する「スワップ冷凍バンボデー」が、「2024年度グッドデザイン・ベスト100」および「グッドフォーカス賞[新ビジネスデザイン](経済産業省商務・サービス審議官賞)」を受賞した。その受賞理由は?
文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/日本トレクス・フルロード編集部
ベスト100に選ばれた日本トレクスのスワップ冷凍バンボデー
日本トレクスのスワップ冷凍バンボデーは、キャリア(運転席部分)とボデー(荷台部分)を切り離せる冷凍バントラックだ。
スワップボディは、荷台を切り離すことで荷役作業と運転業務の分離ができ、長時間労働の改善や輸送効率を改善。また容易にボデーの交換を行なえるため中継輸送としても活用でき、長時間労働の改善や輸送効率の改善に貢献できる。
ボデーには、断熱材に発泡ウレタンを採用したトレクス独自のサンドイッチ断熱パネル「パネクト」を使用し、従来より20%の断熱性能を向上(トレクス従来比)。
外装材には耐衝撃性に優れたFRP材、内装材にはステンレス材をそれぞれ採用し、シンプルかつ丈夫なデザインとなっているほか、構造を見直すことで庫内の冷凍機の飛び出しをなくすとともに、パネルを変更して内寸を拡大している。
これらの理由が評価され、すべてのグッドデザイン賞受賞対象の中で、審美性、提案性、可能性などにおいて総合的に優れているとして高い評価を受けたベスト100に選出。
さらに、新たなビジネスモデルや新産業の創出、イノベーションの促進に寄与する特に優れたデザインとして表彰される、グッドフォーカス賞[新ビジネスデザイン](経済産業省商務・サービス審議官賞)も受賞した。同賞は大賞、金賞に続く特別賞となっている。
≪グッドデザイン賞審査委員による評価コメント≫
深刻な輸送能力不足に直面する物流の2024年問題に対し、非常にシンプルで実利的な解決策を提供している。冷凍荷台部分に簡便な折りたたみ式の脚を搭載し、車両側には装備を追加することなく、標準搭載されているエアサスによる車体の上下機能を用いることで、冷凍荷台部分の中継輸送を可能とした点を高く評価した。荷台が分離でき、また、積み替えなく中継できることで、ドライバーは荷積み関連の業務から解放され、日帰り運行も可能となる。日本車体工業会の統一規格として採用された点も大きな実績である。