自動車の電動化を欧州が主導してきたのはご承知の通りだが、商用車分野ではメーカーの電動化戦略の見直しなどで「2030年に欧州の新車トラックの50%が電動化される」という見通しが実現するか不透明になっている。
いっぽう電動化で先行しBEV超大国となった中国では今、大型車の電動化が過熱している。大型トラックセグメントのBEV販売シェアは前年同期比で約3倍となる22%に達し、LNGトラックを超えた。2028年に電動車の比率が過半数を超えるという予想のほか、同年中に80%に達するという予想まで出てきている。
中国のBEVトラックが乗用車と同じ轍を踏むとすれば、ブームによる余剰生産が海外市場に向かうことになり、世界の商用車市場に影響を与える可能性があるほか、石油・天然ガスなどのエネルギー業界への影響も懸念される。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/CATL・三一重工・宇通・東風汽車・速豹科技
資料/INSTITUTE FOR ENERGY ECONOMICS AND FINANCIAL ANALYSIS