2027年をめどにレベル4自動運転トラックによる無人高速路線運行を計画しているT2(ティーツー)は、このほど神奈川県綾瀬市に『切替拠点』を設置すると発表した。自動運転トラックの運転モードを操作する『切替拠点』の設置は、国内初になるとみられる。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
図版/T2
写真/フルロード編集部
運転モード切換とドライバー乗降で必要
T2のレベル4自動運転トラックの高速路線運行では、一般道をドライバーによる手動運転、高速道路では自動運転機能による無人運転(実際には運行監視のため有人)を計画している。
『切替拠点』とは、自動運転トラックの運転モードを手動または自動へ切り替える操作を行なうとともに、ドライバーが乗降するための専用施設だ。つまり将来の実現を目指している高速路線運行のトラック無人化では、この拠点でドライバーが降車して、無人のトラックが目的地側の拠点へと向かい、そこで待機している別のドライバーが、手動運転で目的地まで走らせるわけである。
切替拠点は「中継エリア」とも呼ばれるが、このようにレベル4自動運転トラックの運行では不可欠な施設である。現時点で具体化している拠点はなく、自動運転技術開発の国家プロジェクト(RTL4)では施設のレイアウトや運行管理設備、立地の研究が進められているが、T2はこれに先駆けて専用の切換拠点を設置する。
※なお、レベル4自動運転(特定自動運行)に関わる法規では、無人運転時でも運行の安全を監視するための特定自動運行主任者(遠隔または乗務)、あるいは緊急事態に対応する特定自動運行保安員(乗務)の配置が義務付けられている。
綾瀬スマートIC近傍に設置
今回設置する切替拠点は、神奈川県綾瀬市の東名高速道路・綾瀬スマートICの北側と南側にある土地を活用するもので、スマートICの出入口がごく近いロケーションとなる。総面積は約2000平方メートルで、今年11月に着工、2026年2月の完成を予定している。
同社が発表した完成予想図では、自動運転トラックの駐車スペースと、ドライバーの詰所および自動運行オペレーションの検証業務で用いられるステーション(トレーラハウス)が描き込まれている。
同拠点の設置では、地元自治体の綾瀬市とも連携し、同市内の産業団地に拠点がある企業を対象として、自動運転トラックによる実証運行へ参加も呼びかけていく。綾瀬市商工振興課では「物流危機という深刻な社会課題に対し、自動運転トラックによる幹線輸送の実現を確かなものとし、市内産業活性化に繋げたい」とコメントしている。
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