いすゞ自動車の中型トラックをベースに、独立機関による安全性検証をクリアし、商用運行で実績を積み上げてきたガティックの貨物専用自動運転トラックが、米国のテキサス、アーカンソー、アリゾナ各州の公道で毎日配送を行なっている。
ドライバーも安全監視員も乗らない完全無人運転トラックによる運送契約は売上高で6億ドルに上り、ガティックは米国で自動運転トラックを「継続的に」「大規模に」展開する初めての企業となった。
いすゞとの協業がこれを下支えしており、さらに拡張可能な自動運転物流を実現するため、両社は量産に向けた準備も進めている。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Gatik AI Inc.
ドライバーが乗らない「トラック運送契約」が現実に
いすゞ自動車などが出資する米国の自動運転企業・ガティックは、2026年1月28日、ドライバーや安全のための監視員も搭乗しない「完全無人運転トラック」による商用配送を大規模運用していると発表した。
トラックの自動運転で世界をリードする米国でも、「継続的」かつ「大規模」な無人トラックの商用展開は初めてだ。
2026年始めの時点で無人トラックの数は60台となり、労働時間の制約のない無人トラックが昼も夜も動き続けている。契約ベースの売上高は6億ドル(約924億円)に上るといい、フォーチュン50の大手小売企業向けに、ドライバーレスで日々配送を実施している。
この節目は、自動運転トラックが「限定的な実証」から「継続的に収益を生む運用」へと進んだことを示しており、地域のサプライチェーン強化につながる新たな局面の到来を告げるものだという。
ガティックは2025年半ばに運用を開始して以来、高速道路と一般道を昼夜連続で走行し、完全無人運転による6万件の配送を事故なく達成した。運用の中核を担うのは、最先端AIと専用設計ハードウェアを統合し、商用での高頻度運行を可能にする第3世代自動運転システム「Gatik Driver」(ガティック・ドライバー)で、安全性、拡張性、解釈可能性を兼ね備えている。
無人運転トラックは商用展開が成立する水準に到達
同社の完全無人運転は、「規模」「運用範囲」「商用としての継続展開」を同時に満たすという点で、前例のない水準に達した。
これまで複数の物流ネットワークで無人運転を累計2000時間超行なった。物流センター、倉庫、小売店舗が密に連なるネットワークを結ぶ、最長400マイル(約650km)のルートで、公道での無人走行距離は1万マイル(約1.6万km)を超えた。
こうした実績は、ドライバー不足と運賃の高騰などから安全性・信頼性・コスト効率を兼ね備えた輸送力への需要が高まる北米市場で、商用スケールの自動運転トラックを展開する同社の優位性を裏付けるものになる。輸送力の不足は米国だけでなく、日本を含む世界に共通する課題だ。
同社CEO兼共同創業者のゴーダム・ナラン氏は次のようにコメントしている。
「自動運転トラックはもはや将来の話ではありません。すでに企業のビジネスの一部となっています。契約ベースの売上高は6億ドルを超え、自動運転トラックが実現可能であるだけでなく、商用として成り立つことを証明しました。
当社ソリューションへの強い需要は、この新しいモデルが物流の将来をどれほど速いペースで変えていくかを物語っています。現在、当社は複数の物流ネットワークと市場で完全無人運転トラックを運用しており、米国最大級の小売企業や消費財企業を支えています。
トラックを運用する現場で、この水準の一貫性を示せたことは、自動運転物流にとって大きな転換点です」。

