構内搬送用の無人搬送サービス「eve auto(イブオート)」を手掛けるeve autonomy(イブオートノミー)は3月18日、初の自主開催イベント「eve auto world 2026」を開催した。
同イベントでは事業戦略の発表に加え、トヨタ車体およびANA Cargoによる導入事例を紹介。また新製品「eve auto LOADER(イブオートローダー)」を発表し、イブオートと連携する関連機器のデモンストレーションを会場で行なった。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
イブオートノミーとは?
イブオートノミーは、構内搬送における無人搬送サービスの実用化を目的として、2020年2月にヤマハ発動機とオープンソース型自動運転ソフトウェアを開発するティアフォーの合弁会社として設立されたJV(ジョイントベンチャー)である。
同社が手掛ける無人搬送サービス「イブオート」は2022年11月に正式リリースされ、2026年2月末までにヤマハ、トヨタ車体、ANA Cargo、センコー、パナソニック、リコーなど60拠点で約100台の電動AIT(無人自動けん引車)「イブオート・FG-01」が導入されている。
同車はガイドレスで運用可能な自動運転レベル4技術を採用し、屋内に加え雨天や夜間を含む屋外環境での無人搬送にも対応する。自動運転時は最高速度10km/h(手動時19km/h)で、最大1.5トン(積載重量300kg)までのけん引が可能。最大6.8度の傾斜や最大30mmの段差にも対応する走行性能を備える。
自動運転技術にはルーフ搭載のLiDARとバンパー部のフロントLiDAR3基を用い、3Dマップの生成および障害物検知を行なう。
また、駆動用バッテリーは交換式を採用しており、充電待ちによるダウンタイムを削減。提供形態は最短3カ月から利用可能なサブスクリプション方式としている点も特徴だ。
同サブスクでは、車両に加え、オペレーションツール、定期メンテナンス、設備連携、アフターサポート、自動運転保険、ソフトウェアアップデートなどをパッケージ化。導入支援サービスとあわせ、構内搬送の自動化を手軽に実現できる仕組みとなっている。
「eve auto world 2026」の概要

「eve auto world 2026」では、最大の導入先となっているトヨタ車体・富士松工場および、空港貨物分野で初導入となるANA Cargo・成田空港貨物施設での事例を登壇形式で紹介。あわせて新製品「eve auto LOADER(イブオートローダー)」と、開発中の「自動台車脱着装置」が発表された。
トヨタ車体・富士松工場の事例では、部品や資材の搬送工程に10台のイブオート・FG-01を導入し、屋外環境における長距離搬送の自動化に取り組んだ内容を紹介。
この内1つのルートでは、さまざまな車両が往来する工場内でも一番難所である交差点を通過するルートをあえて設定し、省人化と安全性向上の両立を達成した具体的なモデルケースが示された。
またANA Cargoは、広大な敷地を有する成田空港貨物施設における導入事例を紹介。貨物搬送や拠点間移動がある同施設では、人の往来に加え既存の搬送設備(AGV)や各種車両が混在する。
こうした環境下でも安全に共存・運用できるよう、段階的にイブオートの活用範囲を拡大していく現実的な導入計画が示された。
いっぽう、今回発表された新製品イブオートローダーは、無人搬送車や既存ライン(ローラーコンベアなど)と連携するパレットの自動移載装置で、搬送されてきたパレットを自動でピックアップし、その場で旋回(最大180度)することで積み降ろしを行なうことができる。
また、自動台車脱着装置は、FG-01と台車(ドーリー)の連結装置に自動で脱着できる機能を付与したものである。
物流施設ではAGVの普及により「搬送」の自動化は進んでいるが、荷物の積み降ろしなどは依然として人手が介在するケースが多い。こうした課題を解決し構内物流の完全自動化を実現するためには、今回の自動台車脱着装置やイブオートローダーのような装置も欠かせない。
イブオートノミーは、構内物流の自動化は搬送の効率化にとどまらず、設備やシステム、パートナー企業との連携を含めた「物流全体の流れ」として設計することが重要になってきているとし、2026年のスローガンとして「コネクト」を会場で発表。
イブオートとさまざま機器の連携のみならず、新たな市場や顧客、協業先・投資家など各方面の「コネクト」を強化していきたいとしている。
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