いすゞ自動車が今年3月にフルモデルチェンジを発表していた中型トラック「フォワード」の7代目モデルが8月29日、ついに発売された。新型フォワードは、先進的でタフなスタイリングへ一新、ドライバーをサポートする安全機能とホスピタリティが大幅に進化しているのが注目だ。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/いすゞ自動車
キャブデザインと安全性をフルチェンジ
トラックのフルモデルチェンジには、大ざっぱに分けると、キャブの全面改良と、シャシーの全面改良がある。7代目フォワードは……というと、キャブの改良そして「安全装備のフルモデルチェンジ」というべきものだ。
キャブは、先代のプラットフォームを継承しながら、そのエクステリアを一新している。プラットフォームの継承は、すなわち新型エルフNPRとの共用継続でもあるが、7代目フォワードでは、フロントフェイスから張り出したサイドフェンダーへ、堅牢なイメージを強く感じさせる独自のデザインとした。
そのため、7代目でもLEDを多用したフロントの灯火器はエルフと共通なのだが、それ以上に骨太で逞しいアピアランスを漂わせている。先代がデビューした時は「エルフそっくり」とも囁かれたが、7代目はいすゞ車ファミリーの顔をもちつつ、中型トラックとして「キャラクターが立った」デザインになったといえるかもしれない。
インテリアは使いやすく進化
キャブのインテリアは、ダッシュボードを一新し、インパネは広がり感のあるデザインとなった。スイッチ類は、走行時に用いるものをドライバーの近くへ配置し、さらにスイッチの目的ごとにゾーニングして、ドライバーに対して右または左にレイアウトしている。
このインパネはエルフNPRと共通だが、大型トラック「ギガ」のセンターパネルとどこか似た雰囲気があり、先代よりもグレードアップした感がある。また、そのギガが装備しているベルトインタイプの「高機能シート」を、新たに設定した。電子式サスペンションロック、吸引式ベンチレーション機能、シートヒーターなどクラスを超えたシート機能で、長時間の運転業務に対応する。さらにワイドキャブ車では、クラス最大の収納スペース総容積40.5リットルを確保した。
ドライバーの正面のメーターパネル内には、7インチカラーLCD(液晶ディスプレイ)が組み込まれる。これには、先進ドライバー安全システム(ADAS)や車両コンディション情報などが見やすく表示される。
このほか、インパネセンター部には大型のタッチパネル式7インチカラーLCDを装着可能としており、バックカメラ映像の表示や音楽再生、スマホアプリ連携(SmartDriveLink)、ハンズフリー通話などの機能が利用できる。さらにいすゞの商用車テレマティクス「MIMAMORI」の表示と操作機能が実装できる。