需要は減少してはいるものの、今も一部に根強い人気があるトラッククレーン。今回紹介するのは世界にたった30台しか存在しないトラッククレーンだ
阪東自動車工業が日本限定30台で販売したトラッククレーン「タダノ・OC-350N(重量物仕様)」。重量物の搬入・据え付けに特化した機能を持たせたスペシャルマシンで、ショートブーム&ショートフックや8×4/4シャシーなどが特徴だ
3段式のブームは長さ7~15mをカバー。写真はすべて伸ばした状態だが、実際の作業では一番短い状態がメインとなる。一番短い状態での吊り上げ能力は35tと強力。さまざまな現場で重宝されそうだ
ベースとなったスカニアの4軸8×4/4シャシーは同車両のため専用設計されたもの。短いホイールベースは機動性アップに寄与。ただ、そのぶんエアタンクや燃料タンクなど艤装品のレイアウトには苦労したようだ
8×4/4という駆動方式は日本のトラックでは見られないもの。最後軸はシングルタイヤかつステア機能を搭載し、現場での機動性アップに寄与する
キャブは汎用のPシリーズを採用。ベッドレス&天井も一番低い作業重視仕様だ。見た目のインパクトが強烈な煙突マフラーは、排気ガスが床のホコリやチリを巻き上げるのを防ぐためのものである
デッキやハシゴ部、前方左右の収納スペースなどの縞板加工は本所自動車工業の職人の手作業によるもの。つなぎ目がわからない丁寧な処理は本所ならでは。スペース有効活用のためスペアタイヤは立てて搭載される
トラッククレーンはトラックの運転席とは別にクレーンの操縦席を持つ。クレーン操縦席への乗り込みはデッキ部に格納されているハシゴを展開して行なう
ひとつの大きな乗り物に別系統の運転/操縦席がふたつ……ロマンである