半世紀以上にわたってトラックボディをつくり続けている名古屋ボデーが製作した医療用ガスボンベ運搬車。こだわり満載の一台だ
エバの依頼で名古屋ボデーが製作した医療用ガスボンベ運搬車。名古屋ボデーはガスボンベ運搬車の豊富な実績を持ち、同車両の製作でもそのノウハウが活かされている
同車両最大の特徴であるアルミ製の箱型ボディは前後2室構造を採用。前室と後室で異なる役割が与えられており、構造も微妙に異なる
前室は小型ボンベや備品用。そこまで重たいものは載せないので床の鉄板は3.2mmとやや薄めだ。消化器や車載工具は上の方に配置することでスペースの有効活用が図られている。アクセスは両側のシャッタードアから行なう
中~大型ボンベを積む後室は床の鉄板が9.0mmと極厚。荷室を囲む枠はボンベ固縛用フックが取り付けられたもの。床の鉄板に直接溶接されている
後室ルーフ部を跳ね上げる機構により、車両全高を低く抑えながら、作業時の荷室内高を高くすることが可能に。ドライバーが頭をぶつけたり、腰を痛めるリスクの大幅軽減をもたらす
カスタム仕様のワイドキャブは快適性の高い高性能シートが備わる。2ペダルAMTと相まってドライバーの疲労軽減に寄与するユーザーの隠れたこだわりだ
積み場のプラットフォームの高さに合わせての高床シャシーの選択なのでサブフレームの低床工作などは行なわれないが、1本300kgのボンベを10本積載することもあるだけに、サブフレームには鉄骨材による補強が行なわれる
バックドア代わりとなるテールゲートは新明和工業製。許容荷重は800kgだ
ルーフ部分が持ち上がるおかげで無理のない姿勢で積み下ろし作業ができる。同サイズのすべての箱型トラックで採用してほしい機能だ