新型YZF-R7(手前)が搭載するCP2エンジンは、1995年の和製ドゥカティと言われたヤマハ・TRX850(奥)がルーツとなる
99万9900円という並列4気筒スーパースポーツよりも大幅に安価で発売されたヤマハの新型YZF-R7。並列2気筒688ccのネイキッドモデル「MT-07」をベースとすることでコストを抑えている
ヤマハが1995年に発売したTRX850は、並列2気筒エンジンのクランクシャフトを90度捩ることで、Lツインエンジンと同じ爆発間隔にした。さらにトラスフレームでドゥカティと同じ構成としている
TRX850がお手本にしたと思われる1990年前後のドゥカティモデル。レースベースの851(写真)や空冷エンジンのSS900などと同じトラスフレームをTRX850は採用。今見ると外観もTRXと似ている
YZR-M1は2004年からクロスプレーンクランクシャフトという90度V4と同じ爆発間隔になるように変更された。写真は2009年のYZF-R1に採用された時のもの。直4がV4サウンドを奏でる
筆者はサーキットや公道で新型YZF-R7に試乗。ドゥカティのようなエキサイティングさと日本メーカーらしい扱いやすいやすさが同居しており、ファンバイクの理想形のように思えた
最近試乗した2006年型のドゥカティ749。下から湧き出るトルクからズバババっと鋭く加速する。問題はシャーシで、Lツインの前後に長いライディングポジションで気軽に楽しめない感じだ
写真のVTR1000FもドゥカティのVツインも共に90度なのだが、ホンダは上に開いていることからV型と言われる。ちなみにドゥカティは前に開いているのでL型だ
ホンダがドゥカティを研究して1997年に発売したVTR1000F。ラジエターが横についているのは、少しでも全長を詰めるためで、直風が当たらない分、冷却性能が犠牲になっている
新型YZF-R7の鉄フレーム+不等間隔爆発2気筒は、ドゥカティと同構成だが大幅にコンパクト。ホイールベースは1405mmで現行ドゥカティ・スーパースポーツの1478mmより70mm以上も短い
2010年代までLツインを採用していたドゥカティのスーパーバイクはこのような車体構成になっていた。エンジンが前に突き出ているのでコンパクト化が難しい
現在のドゥカティはホンダと同じように上に開いたV型4気筒を採用する。今ではドゥカティが日本メーカーの手法に寄せている状況だ
新型YZF-R9(手前、CGイラストは編集部が制作したもの)は2023年モデルで発売されるという情報。これの詳細は当Webで2月22日に掲載したスクープを参照されたい。奥はベースのMT-09