バッテリーEVは、一部の中国メーカーを除き、ほとんどがバッテリー充電式を採用している。現時点のバッテリー充電式EVの課題は、コストが高い、航続距離が短い、充電時間が長いことだ(PHOTO:写真AC_Loa)
2010年にデビューした初代リーフ。航続距離が200kmと短いことからバッテリー交換式も検討したと言われている
CJPTとヤマト運輸が発表した、充電式から交換式にすることによるメリットは、「車両価格の低減」、「充電にかかわる負担の軽減」、「運送効率の向上」、「電力需要の平準化」の4つ(PHOTO:AdobeStock_ narawit)
現在、日米欧の大手メーカーのバッテリーEVは、ほぼすべてバッテリー充電式。バッテリー交換式を採用しているのは中国メーカーで、なかでも新進EVメーカー「NIO(ニーオ)」がその筆頭だ(PHOTO:AdobeStock_Tada Images)
中国「NIO」の全自動バッテリー交換。ここにクルマを入れることで、自動で電池交換をしてくれる。バッテリー交換時間は約3分。充電式では急速充電でも30分はかかるので、充電時間は1/10に短縮、スタンドでの給油並みの時間で済む
NIO充電開始ボタン操作のようす
バッテリー交換式が普及するためには、交換ステーションの設置に加えて、安全なバッテリー交換技術、そしてバッテリーの規格化が必要だ。中国ではバッテリー交換式EVを政府が強力に支援しており、バッテリー交換ステーションの設立など、政府補助によって初期投資などが抑えられるため、成立している(PHOTO:AdobeStock_Andrii Yalanskyi)
2012年に発売された米国テスラ社の「モデルS」は、当初はバッテリー交換式にも対応していたが、短期間で断念。品質を保証しつつ、重いバッテリーを交換するのは技術的に難しく、莫大な交換費用も掛かったためだ
今なおバッテリー交換式の普及を妨げているのは、バッテリーの規格化。バッテリーの構造と性能、脱着構造を規格化によって統一したいところだが、バッテリーの技術はまだ開発途上、様々なバッテリーが開発されている過渡期。メーカー単独での規格化には、技術進歩に取り残されるリスクもある(PHOTO:AdobeStock_ipopba)
川崎市のEVごみ収集車(電池交換型)。充電に使用する電気は、ごみ焼却施設における廃棄物発電で得られる電気を使用しているという(川崎市のホームページより)
ゴミ収集車や定期バスといった商用車は、決まった経路や範囲を走ることが多いので、バッテリー交換ステーションの設置場所が決めやすく、交換バッテリーの数量も推定しやすいので、バッテリー交換式の採用が可能(PHOTO:AdobeStock_sun_po)
CJPTがバッテリーの規格化を推進して、安価なバッテリー交換式商用EVを数多くユーザーに提供できれば、商用のバッテリー交換式EVがカーボンニュートラルに向けた一つの解になるかもしれない(PHOTO:写真AC_ラッキーエース)