写真のような場合はどこが路肩なのかが曖昧だ。車道と歩道の間に設けられたスペースである「路肩」は道路交通法では定義がされていないため、白線(車道外側線)で区切られている「路側帯」のように、明確な区分がなされていないところも多い
白くペイントされた車道側線の外側が「路側帯」や「路肩」と呼ばれるエリア。この部分に歩道がない場所は、歩行者などが通行するための「路側帯」であり、歩道がある場合は道路上の構造物などを保護するために設けられた「路肩」ということになる
「路側帯」は引かれた白線の種類によって、大きく3種類に分類される。白い実線と破線を組み合わせた2本線が引かれた場所は「駐停車禁止路側帯」で、クルマの駐停車ができないのはもちろん、このエリア内に進入しての走行も禁じられている
歩行者が安全に通行できるエリアとして、歩道のない道路に設置されている「路側帯」だが、住宅街や山道など幅が狭い道路では、十分なスペースが確保されていない場合もある。こうした場所では車道にはみ出して歩く人も多いため、通行時は十分な注意が必要だ
ここ最近増えてきた「自転車専用通行帯」は、交通量が多く自転車とクルマを安全に区分するために設けられたエリア。文字通り自転車専用のため、基本的にはクルマの走行は禁じられているが、左折時や緊急車両に道を譲るといった場合には、徐行しながらの進入が可能だ
「路肩」は道路標識などによってその場所が「駐車禁止」や「駐停車禁止」とされている場合以外は駐車することが可能。もちろん、長時間の駐車は通行の妨げになるので厳禁だ
「路肩」に駐停車する場合は、駐車禁止を示す道路標識はもちろん、道幅にも十分注意が必要。クルマの右側に3.5m以上のスペースがない道路では、仮に駐車禁止の標識がない場合でも「無余地駐車の禁止」に抵触するため、取り締まりの対象となってしまう可能性がある
路肩は駐停車OKであっても、自転車や歩行者も通行可能な場所。クルマが独占していい場所ではない。さらに、道路標識や標示によって駐車禁止とされていなくても、バス停や車庫の出入り口、消火栓、工事現場の近くなど、クルマを駐車できない場所は案外多い。他のクルマが停めているから大丈夫……などと安易に考えず、クルマを停める前にしっかりと確認したい
高速道路での駐停車は基本的に禁じられており、違反すれば3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科されることも。ただし危険防止のため故障など、やむを得ない場合は危険防止のため、「路側帯」に停車することが可能。その際は後方に三角表示板などの停止表示器材を設置する必要がある
路肩は道路保全などを目的とした「車両制限令」によって、二輪車を除く自動車の通行が禁じられているのみ。ルール上はバイクや原付は通行OKではあるものの、安全性を考えれば止めておいたほうが無難だ