その剛性感、レーシングカーのメソッドから生まれた
まずはSPORTモードから試そう。アクセル全開にすると、4000rpmあたりからマルチシリンダー特有のエクゾーストノートが鼓膜をくすぐる。耳障りじゃない、ちょうどよいノイズ感だ。ブレーキングからステアリングをエイペックスに向けて切り込む。別に、限界まで攻めているわけではないが、パドルシフトを楽しみながら、なんとなくレーサー気取りでのステアリング操作が楽しい。
ステアリング操作に対する応答は速く、しかし、若干の初期のロールを出しているので唐突感もなく、思いどおりのラインを描ける。贅沢を言えば、直進時のステアフィールにあるファジーな領域が、もう少しピシッと決まると完璧。次に、コンフォートモードに当たるECOモードに切り替える。ステアリングそのものが軽くなり、サスペンションも若干ソフトな方向に変化する。とはいえ、それでも充分にスポーティなセッティングで、ECOモードでもキビキビ系の走り。
真剣に攻め込んでもみたが、ある領域でしっかりロールを止め、コーナリングのレベルはかなり高く、しかも路面の凸凹をキッチリ吸収するので安定性と乗り心地がいい。今回、スポット溶接打点を増やし、構造用接着剤の採用でボディ接合剛性をアップ。これはレーシングカーのチューニング法に共通する。だから、このハンドリングと乗り心地が達成できているのだ。
欧州ライバルとの比較をする
マルチシリンダーエンジンを搭載したFRセダンでライバルを探すとすれば、BMW340iが目に浮かぶ。こちらは、BMW十八番の直6でターボ武装。低回転域から高回転域までシルキーでしっかりしたトルクを発生する優れものだ。
しかし、その価格は800万円台。部長も一瞬考える価格。300万円台でV6エンジンを搭載したマークXの価値は高い。
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