N-BOXとは運転支援、スペーシアとは後席空調で差
そして前述の通りルークスの価格は、ライバル車の代表となるN-BOXを意識した。特に標準ボディのXは、N-BOXの標準ボディと同額だが、装備内容はどうなのか。
N-BOXとの決定的な違いは運転支援機能だ。N-BOXでは衝突被害軽減ブレーキを作動させるホンダセンシングに含まれるが、ルークスの場合、標準ボディにはプロパイロットをオプションでも装着できない。内装の質はルークスが少し高く、2台先を走る車両を検知して衝突予測警報を行う機能も備わるが、運転支援機能が欲しいユーザーにはカスタムを含めてN-BOXを推奨する。
スズキスペーシアもライバル車で、標準ボディのXは価格が170万5000円だ。ルークスXの173万9100円に近い。スペーシアXでは、運転支援機能はパッケージオプションで価格は6万6000円になる。運転支援機能の取り扱いは共通だが、スペーシアXにはエアコンの冷気を後席に送るスリムサーキュレーター、ロールサンシェードなどが標準装着される。これらはルークスではオプション設定だ。
さらにスペーシアXは、後席の座面に、オットマンのように使えるマルチユースフラップを内蔵させた。マイルドハイブリッドも採用され、XのWLTCモード燃費は23.9km/Lに達する。ルークスXの21km/Lに比べて、数値上は燃料代を12%節約できる。
その代わりルークスは内装が上質で、実用回転域の駆動力にも余裕がある。乗り心地も含めて、ルークスは走りに関係した機能に特徴を持たせた。
9月中の注文で納期は年末から来年3月頃か
ダイハツタントもルークスの競争相手だ。標準ボディのXは161万7000円だから、ルークスXよりも約12万円安い。しかも左側のピラー(柱)がスライドドアに内蔵されるため、左側の前後のドアを両方ともに開くと、開口幅が1490mmに達する。雨天時などはベビーカーを抱えて乗車して、車内で子供をチャイルドシートに座らせる作業を行える。ドアの開口幅が広ければ、体を捩らずに乗り降りできるから、高齢者にも優しい。
標準ボディのタントXには、運転支援機能などは採用されないが、前述の通りピラーをスライドドアに内蔵させて価格は安い。その半面、ルークスは動力性能に余裕があり、乗り心地もタントに比べて快適だ。
つまりルークスを選ぶか否かは、特徴となる動力性能、走行安定性、乗り心地、内装の質をどのように判断するかで変わる。全高が1700mmを超えるスライドドアを装着した軽自動車を買う時は、ルークス、N-BOX、スペーシア、タントを乗り比べて選択したい。
なお、販売店に納期などを尋ねると以下のように返答された。「ルークスの納車は(2025年)11月下旬から始まる。試乗車が店舗に来るのも、その頃になる。そうなると9月下旬に注文をいただいた場合、納車されるのは年末から来年の3月頃だ。つまり納期は3〜6か月になる」。購入するなら、商談は早めに始めたい。


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