ホンダNSX、日産GT-Rニスモ、レクサスRC F、日産フェアレディZ NISMO、スバルWRX STI、マツダロードスター、ロードスターRF、トヨタ86、ホンダS660の国産スポーツ全9台をチェック。
スポーツモデルといえば最も重要視されるのは、その走り。とはいえ、いつもサーキットや山道を全開で走るわけではない。
普段使いで快適な乗り心地、優れた燃費性能を合わせ持つ国産スポーツはどのモデルなのか?
文:編集部、永田恵一/写真:奥隅圭之、平野学
ベストカー2017年5月26日号
乗り心地の良し悪しは9台のキャラを反映
テストしたコースはヒーローしのいサーキット(栃木県宇都宮市)施設内の連絡路。凹凸や排水溝の段差があるなど、通常の一般道よりも荒れた路面で、ここを30~40km/hの速度で走行しての乗り心地をチェックした。
ドライバーはF1参戦経験もある鈴木利男氏が担当。鈴木氏による9車の乗り心地の評価は次のとおり。
■ホンダ NSX
モード切替えがあるけど、ここではスポーツモードが車両の重さやタイヤの硬さにショックアブソーバーの減衰力が合っている気がする。全体的には、しなやかさのある乗り心地。ただ、これくらい路面の悪い道路だと、ユサユサとした上下の揺れが出る。
■マツダ ロードスターRF RS
1.5L RSと同じようにボディやステアリングからブルブルとした振動が伝わってくる。1.5L車と違うのは全体的に動きが重く感じるところ。ルーフはやはり閉めたほうがしっかり感がある。
■マツダ ロードスターRS
けっこう硬めで、段差ではゴツゴツした突き上げがあり、ウインドウあたりがブルブルと振動する。ステアリングも路面からの振動がかなり伝わる。ここでは、RSよりSグレードのほうが乗り心地はいいんじゃないかな。
残り6台の評価&全9台の乗り心地ランキングは?
■レクサスRC F
大きな段差はドンッと突き上げはあるけど、乗り心地は今回の9車で一番いい。モード切替えがあり、ノーマルやECOモードでは少し柔らかく感じられる。不快な振動もなくて、全体的に静かな印象。
■日産フェアレディZ ニスモ
GT-Rと同じように路面の凹凸がダイレクトに伝わる。少し荒れている程度の路面はいいけれど、段差だとドタバタする。ただ、スポーツカーなんだから、この程度はしかたがないかな。ステアリングの微振動は気になったけれど。
■ホンダ S660 α
凹凸の少ない路面でも、ボディ剛性が弱いので、路面からの入力が全部ボディに集まってブルブルと震える。ルーフを閉めるとAピラーの揺れは減るけれど、そのぶんフロアの振動が気になった。
■トヨタ86 GTリミテッド
ザックス製ダンパー装着車とのことだけど、段差での突き上げもしなやかにいなしていて、小さな凹凸でのアタリも柔らかい。ステアリングの微振動もないし、乗り心地は悪くないと思う。
■日産GT-R ニスモ
上下の揺れが左右にも残るのは不快だね。でも、初期の入力ではザラザラした感じがなくて、それほど乗り心地は悪くない。
ミッションも静かになった。ただ、全開にして走った時の走りや安定性のほうが重要なのでは? と、このクルマの場合は思う。
■スバルWRX STI タイプS
小さな路面の凹凸は少しゴツゴツ感があるものの悪くない。ただし、段差を乗り越えた時にドンとくる突き上げ感が出る。それと、フロントの駆動系の振動も気になった。
(評価:鈴木利男)
全9台の各ステージ&トータル実燃費は?
今回の9車を栃木県宇都宮市にあるヒーローしのいサーキットから編集部(東京都文京区)の帰路で、普通に走った燃費を計測した。ルートは
- 1.ヒーローしのい→東北道宇都宮ICまでの一般道(9.8㎞)
- 2.宇都宮IC→外環道大泉IC(125km)
- 3.大泉IC→編集部までの一般道(14.2km)の3つ。
1.と3.は平均約30km/hと信号の少ないかなり流れのいい一般道、2.の高速道路はごく普通に流れに乗った走行をイメージしてほしい。その結果が下の表にまとめたものだ。
コメント
コメントの使い方