ノートe-POWER VS ガソリン車 全行程燃費結果
e-POWERの弱点は一定速度で走る高速区間
ただし、純シリーズハイブリッドというノートe-POWERのメカニズムには、それゆえの弱点もひそんでいる。
エネルギー変換に効率100%はありえない。ノートe-POWERの場合、エンジン出力を発電機で電気に変換する際、そして電気でモーターを回す際、それぞれに僅かだがロスが生じる。
加減速のない一定走行では、エンジン出力がダイレクト(厳密にいえばCVTのロスはあるが)にタイヤを回す1.2CVTに対して、エンジン→発電機→モーター→タイヤという経路をたどるノートe-POWERは原理的に不利。
今回のテストでも高速区間の燃費だけは1.2CVTが逆転。e-POWERを15%ほど上回る燃費データを記録している。
この欠点をカバーするのが「エンジン直結モード」で、アコード/オデッセイのハイブリッドやアウトランダーPHVでは、基本シリーズハイブリッドながら駆動系にクラッチを追加して直結モードを設定している。
ノートe-POWERに直結モードを追加するのは、スペース的にもコスト的にも難しそうだが、ここがこのシステムの課題だろう。
だから、ノートe-POWERの評価は、得意不得意のあるそのシステム特性をどうみるかによって変わってくる。
ハイブリッドと比較してe-POWERをどう見る?
長距離ドライブの機会が多いユーザーなら、燃費面でハイブリッド車やディーゼル車に目移りするかもしれない。
ちなみに、今回と同じコースの高速区間燃費で、プリウスPHVは36.9km/L、CX-5ディーゼルは26.6km/Lと、ノートe-POWERを圧倒している。
今回のテストでもノートe-POWERの高速燃費が振るわなかったのは予想どおりだったんだけど、それにも増して「右足ひとつでスイスイ走る街中のドライバビリティ気持ちイイじゃん!」というメリットの方が、ずっとずっと強く印象に残ってる。
ノートe-POWERの予想を超えるの売れゆきをみるかぎり、多くのユーザーもぼくと同じ意見なんじゃないかな?
やっぱり、コイツは「ひと踏み惚れ」で決めるクルマなんだと思います。
【鈴木直也】
購入時のコストはe-POWERが約36万円高
はじめにノートe-POWERとノート1.2Lガソリンの購入時の価格差を装備の違い、エコカー減税と翌年の自動車税の減額まで含めて、売れ筋のXグレード同士(e-POWER/195万9120円、1.2Lガソリン/149万5800円、e-POWERは46万円高)で考えてみよう。
まず装備の違いに関して目立つのはe-POWERのエアコンがオートになることくらいで、ここで1.2Lガソリンとの価格差は1万円くらい縮まるだろうか。
エコカー減税では、e-POWERは取得税と重量税の免税で約7万9000円、翌年の自動車税の減額で約2万6000円、合計約10万5000円得をする。
1.2Lガソリンは取得税20%軽減、重量税25%軽減、翌年の自動車税の減額はないので、得するのは約1万3000円だ。
といったことを総合すると、購入時の差額は36万円程度となる。
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