どのくらいで元が取れる?
この36万円を「どのくらい走れば元が取れるのか?」というのが大きなテーマになる訳だが、3つの区間を総合した燃費はe-POWERが24.0km/L、1.2Lガソリンが19.0km/Lといったところだ。
この燃費でそれぞれの1万kmあたりのガソリン代をレギュラーガソリン1Lの価格を133円で計算すると、e-POWERが約5万5000円、1.2Lガソリンが7万円。
1万kmあたりのガソリン代は約1万5000円差となり、購入時の差額36万円の元が取れるのは24万km走行時点となる。ガソリン代だけで元を取るのはほぼ不可能である。
いっぽうでe-POWERは、新車時の車両価格が高いことや中古車市場で1.2Lガソリンより人気になりそうなことも加味すると、次のクルマに乗り替える際に1.2Lガソリンより15万円から20万円高く処分できると想定できる。
ただ、購入時の差額36万円から15万円もしくは20万円を差し引いたとしても、元が取れるのは10万kmから13万km走行時点と、ガソリン代の損得だけで考えると元を取れる人はかなり少ないと言わざるを得ない。
最終判定 e-POWERはガソリン車より魅力的なのか?
しかし、損得勘定抜きで1.2Lガソリンとe-POWERを比べると、1.2Lガソリンは街乗りでは特に問題を感じることはないものの、追い越し加速や上り坂といったアクセルを深く踏むシーンではやはり79馬力というスペック通りパワー不足を感じるケースが多々あるのに加え、アイドリングストップしないとアイドリング中の3気筒エンジンの振動も気になる。
この点を考えると、
「広いコンパクトカーが欲しいのならノートの1.2Lガソリンにこだわらないで、6月下旬にホンダセンシングが着くフィットの1.3Lにした方が値段もそれほど変わらないだろうし、いいんじゃない」
と思ってしまうのが正直なところだ。
その点e-POWERはパワー不足やアイドリング中の振動といったストレスから解放されるどころか、BCテストによる最高速が146km/h止まりとなる以外は、
0-100km/h加速が8.8秒、ゼロヨン加速も16.4秒とコンパクトカーのスポーツモデル並みの爽快な加速を味わえる。
さらにエコモードとSモードをオンにすると機能するワンペダルドライビングも慣れると楽しい。
といったことを総合すると、e-POWERを買える予算を用意できるならぜひe-POWERを、その予算が用意できないなら1.2Lガソリンよりフィットの1.3Lガソリンなどの他のコンパクトカーを基本に考えるべきというのが私の結論だ。
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