業界騒然!! 日野・三菱・UDら一斉にフルモデルチェンジした奇跡と秘密

■「王者」プロフィアは総合力をますますアップ

 大型トラックのシェアでトップの日野自動車。

 「社長、こいつに乗せてくれ」というドライバーの台詞が印象的な新型プロフィアのテレビCMを積極的に展開していることでも話題になっている。

 14年ぶりにフルモデルチェンジされた新型プロフィアをひと言で表すなら「魅力的なクルマ作り」ということになるだろうか。

 まずはインテリア。機能的でありながら上質感のあるデザインは、トラックでは一歩抜けた存在。

 またブラウンで統一されたインテリアカラーもドライバーに安心感とくつろぎをもたらす空間を演出する。

 さらに目玉となるのが新開発の高機能シートだ。合皮にファブリックを組み合わせた豪華仕様で、減衰力を調整できるタイプ。キャビンサスペンションとのマッチングもよく、乗り心地はクラストップレベルであることに間違いない。

 新開発の9Lエンジンのバランスの良さも特長のひとつ。パワー、トルクとも必要十分で、新型プロフィアの走行安定性向上に一役買っている。

 そして忘れてならないのが、日野自動車が早くから取り組んできている安全機能。

 プロフィアの衝突被害軽減ブレーキは、仮に濡れた路面、ギャップのある路面で止まりきれなくて衝突してもフルブレーキをかけ続ける機能が備わっている。もちろん新型に設け継がれ、進化している。

日野プロフィアの試乗会は同社羽村テストコースで行われた。最高速度は50㎞/hほどしか出せない設定だが、新型の走行安定性、運転支援機能、乗り心地のよさを実感した。まさに乗用車感覚のキャビンと言っていい
日野プロフィアの試乗会は同社羽村テストコースで行われた。最高速度は50㎞/hほどしか出せない設定だが、新型の走行安定性、運転支援機能、乗り心地のよさを実感した。まさに乗用車感覚のキャビンと言っていい

■ディスクブレーキ採用のグローバル戦略車「クオン」

 ボルボの血が流れるUDトラックスのクオンは13年ぶりのフルモデルチェンジ。主力エンジンは先代からの11Lを改良して搭載しており、パワー感は十分。なにより信頼性は高い。

 もちろん新型クオンも軽量化には力を入れており、メインフレームに高張力鋼板を採用したほか、総輪ディスクブレーキ導入などにより約200㎏の軽量化を実現している。

 現行の国産大型トラックでは唯一となるディスクブレーキは、やはり新型クオンの最大のポイントといえるだろう。

 富士スピードウェイに5タイプの新型クオンが持ち込まれた試乗会で、その実力をチェックする機会がやってきた。効きはじめはソフトな印象。

 ドラム式に慣れたトラックドライバーは物足りなさを感じるかもしれないが、踏み込んだときのタッチ、制動力はピカイチ。さらに4段階のリターダーが装備されており、相互に介入するシステムは秀逸だった。

 キャビンのデザインも新型クオンの見どころ。派手さはないものの、人間工学に基づいて運転しやすさを追求して一新されており、座ると好感が持てる。

UDトラックスのクオンはサーキットで試乗。ヨーロッパではサーキットでのトラック試乗会も多く開催されており、ボルボ系のUDトラックスらしい演出といえそうだ。富士に続いてトラック事業者向けに各地のサーキットで新型試乗会が開催されている
UDトラックスのクオンはサーキットで試乗。ヨーロッパではサーキットでのトラック試乗会も多く開催されており、ボルボ系のUDトラックスらしい演出といえそうだ。富士に続いてトラック事業者向けに各地のサーキットで新型試乗会が開催されている

■出揃った大型トラックのニューフェイス。どれがいい?

 スーパーグレート、プロフィア、クオン、これらは3車3様のコンセプトで開発、設計されたニューモデルだ。改めて続けて乗ってみると、それぞれの特長に明確な差があって面白い。

 新型プロフィアはハンドリング性能、エンジンパワー、そして乗り心地と各性能が高いレベルで融合しており、リーディングカンパニーの意地が感じられた。

 新型スーパーグレートは2ペダル専用モデル化で業界に衝撃が走ったが、ダウンサイジングによる軽量化も新開発AMT採用も、実は先代モデルの弱点を長所に替える分かりやすいクルマ作りなのだ。

 質実剛健という表現がぴったりの新型クオンは、グローバル戦略としての位置づけを鮮明にした新モデル。他車とは一味違うキャビン設計など使いやすさも魅力だろう。

 この三者種に加えて、2016年秋に一足先にフルモデルチェンジしたいすゞの新型ギガがすでに販売好調という大型トラック業界。ギガを含めた4車のパフォーマンスを市場がどう判断するか。今から楽しみである。

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