■開発初期段階から「タイプR」を意識!
従来型ではセダン、ハッチバックと別々に開発されていたものを、新型では統一してプラットフォームから一新したというシャシー、ボディは、剛性を高めながら軽量化を実現。
セダンは旧型北米仕様に対し剛性25%アップ、22㎏の軽量化、いっぽうハッチバックは旧型欧州仕様に対し剛性52%アップ、16㎏の軽量化としているが、
対比数字が異なるのはそれぞれ比較対象車が異なるためで、仕上がった新型シビックは4ドア、5ドアともに車体剛性としては同等だという。
気合い入ってるなー。
実際乗ってみれば、開発を担当した竹澤修主任研究員が言うように「感性に響き渡るパフォーマンス」を実感する。
とにかくしなやかで高いスタビリティの走りを味わえるのだ。ボディ剛性アップと合わせて20㎜下げたヒップポイント、重心の低さも大きく効いている。
「開発の初期段階からタイプRの設定を意識して開発した」というシャシーの余裕を感じる。
4ドアと5ドアでチューニングを変えたというエンジンのフィールは、両車の違いを感じ取るにはサーキットは少々場違いでわかりにくかったが、ステップワゴンとは明確に異なるパンチの効いたトルク感は充分にファン。
スタビリティ重視の4ドアセダンに対し、キビキビしたフットワークを重視したハッチバックという明確なキャラ分けも納得だ。
タイヤサイズ、銘柄だけではなくサスペンションチューニングもそれぞれ明確に分けているというから開発陣の熱量は伝わってきた。
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■新型シビックは欧州車のライバルに勝てるのか?
文:片岡英明
ホンダを代表するファミリーカーのシビックが日本市場に戻ってくる。
パワフルな2Lのターボエンジンを積むタイプRも用意されているが、一般のユーザー向けはダウンサイジングを図った1.5LのVTECターボだ。
しかも2種類のチューニングを用意し、6速MT車も選べる。
サスペンションもストラットとマルチリンクの組み合わせとした。ちょっとだけサーキットでステアリングを握ったが、走りの実力は欧州勢に負けていなかった。
ハンドリングはかなりスポーティな味付けで、乗り心地などの快適性との妥協点もかなり高い。
いっぽう新型シビックと同じクラスとなると、いわゆる欧州Cセグメント、アウディA3、BMW1シリーズ、そしてベンツAクラスだろう。
アウディA3の廉価モデルが搭載するのは1.4Lの直噴ターボだ。BMW1シリーズのボトムグレード、118iは1.5Lターボだが、こちらは3気筒エンジンになる。パワフル感、上質感ともにシビックが勝っていた。
メルセデスベンツのエントリーモデル、AクラスのA180は1.6Lの直噴ターボを積む。これと比べてもシビックは一歩リードする。
ただし、ライバルはデュアルクラッチを用いた2ペダルMTと8速ATだ。シビックのCVTはかなりスポーティな味わいになっているが、操る楽しさは欧州勢に及ばない。燃費も欧州勢が優位か!?
ハンドリングは負けていない。シビックはかなり欧州勢を研究したのだろう。サーキットでも気持ちよく走れたし、乗り心地もよかった。
FR方式のBMW1シリーズのような意のままに操る楽しさは望めないが、かなりスポーティで合格点。
キャビンの広さもシビックの売りのひとつ。後席はBMWやアウディより広く、ゆったりと座れる。が、居心地がいいのは欧州勢だ。
実用性ではシビックにかなわないが、インテリアの質感も欧州勢に一日の長がある。シビックはデザインもクセがあり、好き嫌いが分かれそうだ。
そろそろ採点に入ろう。
現時点でのトータル評価はBMW1シリーズとA3を8点、ベンツAクラスを8.5点、そしてシビックには9点をつけて、1位 としたい。
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