スバルはどこまでMTにこだわるのか? 一部改良のBRZは三眼式アイサイト採用とシフトダウン時の引っ掛かり解消!!!

スバルはどこまでMTにこだわるのか? 一部改良のBRZは三眼式アイサイト採用とシフトダウン時の引っ掛かり解消!!!

 2026年7月30日、スバルはBRZの年次改良モデル、F型を発表した。スバルはMT車にこだわりをもっているだけにMT好きにとっては嬉しい改良だ。さて、どんな内容なのか、そして2027年までに3台のMT車を投入するというスバルのMT戦略を解説する。

文:ベストカーWeb編集部/写真:SUBARU

アイサイトが6速MT車&6速ATともに三眼式に!

年次改良でF型となったBRZ
年次改良でF型となったBRZ

 2026年7月30日、年次改良が行われ、F型となったスバルBRZ。今回のトピックスは2つ。一つ目は6速MT車、6速ATともに「アイサイト」の機能強化により安全性能を向上させたことがポイント。

 これまでの2つのステレオカメラから、新たに広角単眼カメラが追加することで三眼式となり、カメラの画角は約2倍に拡大。カメラはフロントガラス取り付け式に変更されるとともにレンズフードが採用され、誤接触を防ぐ設計となっている。

視野が広角化したステレオカメラと超広角の単眼カメラによって“3つの目”に進化した最新のシステム
視野が広角化したステレオカメラと超広角の単眼カメラによって“3つの目”に進化した最新のシステム

 三眼式となったことで、交差点における衝突回避サポートの作動範囲を拡充された。低速走行時には広角単眼カメラが二輪車、歩行者の認識範囲を拡大、プリクラッシュブレーキが対応できるシチュエーションを増やすことで、日常の街乗りシーンでの安心感を高めた。またクルーズコントロール使用時の先行車両検知精度も向上した。

シフトダウン時の引っ掛かりをなくした!

5速から4速へのシフトダウン時の引っ掛かりを、インターロック機構部品の角を面取りすることで解消
5速から4速へのシフトダウン時の引っ掛かりを、インターロック機構部品の角を面取りすることで解消

 2つ目は6速MTのシフト操作を改善したこと。これまで5速から4速に素早くシフト操作を行った場合、インターロック機構部品の角が、4速と6速の壁に着地し、引っ掛かりが発生していた(図)。

 この課題に対応するため、スーパー耐久レースの車両に採用したアイテムの知見を活かし、シフトセレクト機構部のインターロック機構部品の面取りを限界まで拡大し、シフトレバーの動きを阻害する要因を低減した。

※インターロック機構部品:マニュアルトランスミッションの確実なシフト操作を実現する部品

 BRZ F型の価格は各グレード約5万円程度のアップにとどまる。価格とグレード体系は以下の通り。なお、GR86の正式発表はまだトヨタから公式アナウンスはないが、ディーラー情報によると、2026年8月6日の発表を予定している。

■BRZ F型のラインナップと価格
R:6MT=337万7000円/6AT=341万円
S:6MT=356万4000円、6AT=359万7000円
STI Sports:6MT=383万9000円、6AT=387万2000円

2027年までに登場するMTスポーツ車の3台に目が離せない!

2026年4月9日、600台限定でSTIコンプリートカーWRX「STI Sport♯」
2026年4月9日、600台限定でSTIコンプリートカーWRX「STI Sport♯」

 今後に期待したいのが、スバルのMT車攻勢だ。その第一弾ともいえるWRX STI SPORT♯は2026年4月9日に600台限定、610万5000円で発売されたが、5月17日までの申し込みの抽選販売となり、10倍を超える応募が集まるという人気ぶりだった。

 現行WRXをベースに、日本仕様で6速MTを初めて採用し、心臓部は2.4Lの水平対向4気筒直噴ターボの「FA24」。ご自慢のエンジンは、275ps/35.7kgmを発生。

 ピストンとコンロッドの重量公差に加え、クランクシャフトとフライホイール、クラッチカバーの回転バランス公差も低減したバランスドエンジン、バランスドクラッチカバー&フライホイールを採用。それにより、エンジンの心臓部にあるパーツで生じる重量のバラつきを極限までなくし、さらに回転するパーツのガタつきも徹底的に抑え、驚くほど滑らかに回るエンジンに仕上げた。

 もちろんスバルのMT車はこれだけじゃない。今後、スバルがどのようなMT車を出してくるのか、大きなトピックスがあった。

スーパー耐久シリーズ第3戦富士24時間のラウンドテーブルでサプライズ公開された3台のスポーツモデルのシルエット
スーパー耐久シリーズ第3戦富士24時間のラウンドテーブルでサプライズ公開された3台のスポーツモデルのシルエット

 2026年6月6日、「スーパー耐久富士24時間レース」の会場でスバル取締役専務執行役員CTOである藤貫哲郎氏が2027年までに3台の新型マニュアルスポーツモデルを順次国内投入していくと発表したのだ。

 会場ではブルーのベールに包まれた3台の車両シルエットには、4ドアセダン。2ドアクーペ、5ドアハッチバックの3タイプであることがわかる。

 このMT車モデル開発を牽引するのは2026年4月に新設された「スポーツ車両企画室」。モータースポーツ部門と量産車開発部門の垣根を取り払い、双方のエンジニアが自由闊達に意見を交わしながら車両開発を行う部署だ。


■インプレッサ5ドアハッチバックのMT車

スバル パフォーマンスB STIコンセプト。S耐に参戦中のハイパフォX IIで鍛えた要素を詰め込んだスポーツハッチ。2.4LターボにTY85型ミッションを搭載し、300psも夢じゃない!
スバル パフォーマンスB STIコンセプト。S耐に参戦中のハイパフォX IIで鍛えた要素を詰め込んだスポーツハッチ。2.4LターボにTY85型ミッションを搭載し、300psも夢じゃない!

 まずハッチバックのMT車は、2025年のジャパンモビリティショーで公開されたインプレッサのハッチバックをベースにした「パフォーマンスB STIコンセプト」の市販版。手の届きやすい価格のベース車として、若い世代にも気軽にMT車の面白さが味わえるエントリースポーツとして長期ビジョンが示されている。

 かつてスバル車には素うどん的なMT車があった。価格も安いから初めて買うMT車としての役割もあった。それがいつしか、MT車がなくなってしまった。マツダがMT車を積極的に設定するのを羨ましそうに見ているスバリストも多くいたはずである。


■S4ベースのセダンにWRX STI用のTY85型6速MTを搭載

春に限定販売されたWRX STI Sport♯から装備を簡略化したカタログモデル。最高出力275ps、最大トルク35.7kgmは堅持
春に限定販売されたWRX STI Sport♯から装備を簡略化したカタログモデル。最高出力275ps、最大トルク35.7kgmは堅持

 WRX STIの復活を望んでいる人も多いのではないか。それは今後に期待ということで、現実的な話として、WRX S4に2027年までにカタログモデルとしてMTモデルが復活する見込みだ。

 搭載されるMTが肝である。なんとSTI SPORT♯に搭載されたTY75型ではなく、VA型WRX STIに採用された耐久性が高く信頼性のあるTY85型6速MTが搭載されることが明言されたのである。このTY85型6速MTは最大トルク600Nm級というから、300psオーバーのFA24型ターボを搭載か!?

かつてWRX STIに搭載されたEJ20ターボはこのTY85ミッションだった
かつてWRX STIに搭載されたEJ20ターボはこのTY85ミッションだった


■BRZ STIスポーツタイプRAのMT

2025年11月に発売されたBRZ STIスポーツタイプRA
2025年11月に発売されたBRZ STIスポーツタイプRA

 MTモデル3台目はBRZ STIスポーツタイプRAのMTである。高精度にバランス取りされたFA24型エンジンに加え、ブレンボ社製ブレーキ、ZF製ダンパー、STI製BBSホイールなどRA(レコードアテンプト=記録への挑戦)の名に相応しい軽量スポーツモデルだったが、新型MTモデルは、ターボ化はせず、さらに軽快に意のままに走りを愉しめるモデルとして開発。

 このほか、近々WRX STIが復活するのではないかと囁かれている……。まずはスバルの原点回帰ともいうべき、MT車の復活。これからもMT車にこだわり続けてやってほしい!

【画像ギャラリー】一部改良のBRZと今後発売されるスバルのMT車をチェック!(10枚)画像ギャラリー

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