アウトランダーPHEV 700km乗ってわかった技術の力、ブランドの力、進化の力


■アウトランダーPHEVのライバル車は輸入SUVハイブリッド!?

文:渡辺陽一郎(自動車ジャーナリスト)

 アウトランダーPHEVは、日本車では数少ないプラグイン方式、つまり充電機能を備えたハイブリッドSUVだ。

 同様の国産SUVはほかに存在しないため、ライバルは輸入車になる、というのは的を射たライバル設定だ。

 そのクラスだと、ボルボXC90T8、メルセデスベンツGLC350e4MATIC Sports、BMW・X5xドライブ40eが、充電の可能なハイブリッドSUVとして用意される。このようにアウトランダーPHEVは、海外の強豪を相手にしているわけだ。

 まずプラグインハイブリッドでは、使い勝手の面から駆動用リチウムイオン電池の容量(総電力量)と、1回の充電で走れる航続可能距離が重視される。

 アウトランダーPHEVの駆動用電池は12kWhを確保して、JC08モードで60.2kmの走行が可能だ。

 対するボルボXC90T8で走れる距離は35.4km、ベンツGLC350eは30.1km、BMW X5xドライブ40eは30.8kmになる。

 アウトランダーPHEVは、欧州のライバル車に比べると1回の充電で数値上は約2倍の距離を走れるため、エンジンを停止させて走行可能な距離も長く効率が優れている。

 走行性能や居住性には、それぞれ独特の特徴がある。

 XC90T8は全長が4950mm、全幅が1960mmの大柄なボディを備え、車内が広く荷室には3列目の補助席も装着した。内装は上質だ。

 エンジンは直列4気筒の2Lだが(XC90の新しいプラットフォームは2L以上の搭載を想定していない)、ターボとスーパーチャージャーを併用して実用回転域の駆動力が高い。

 車両重量は2320kgと重いが、操舵に対する反応が正確で、運転感覚はミドルサイズSUVに近い。乗り心地は低速域で少し硬いが、重厚感が伴って高速になると快適性が高まる。

 緊急自動ブレーキは歩行者や自転車を検知して、右折時における対向車との衝突防止にも対応した。

 GLC350e4MATIC Sportsは、全長が4670mmで全幅が1900mm。着座位置の高さが適度で、居住性は前後席ともに良好だ。インパネなどの内装はかなり上質に仕上げた。

 運転感覚はSUVでもCクラスのセダンやワゴンに近い。重心の高さを意識させず、操舵感が自然な印象で安定性と乗り心地も良い。

 X5xドライブ40eは、全長が4940mm、全幅が1940mmと大柄だ。カーブを曲がる時にはボディの重さを感じさせ、BMWの特徴とされる機敏でスポーティな印象は乏しい。

 SUVでは車両の向きを変えやすいが、相対的に後輪の接地性が下がる面もある。BMWらしい走りを味わえるのは、SUVではX3以下だろう。

ボルボ、メルセデスベンツ、BMWらがライバル車になる

■世界最高水準車が約半額で!!!

 これらの輸入SUVに比べると、アウトランダーPHEVは車両重量が2tを下まわっており運転感覚が軽快だ。

 直列4気筒の2Lエンジンは主に発電機を作動させ、駆動は前後のモーターが担当するから直線的で滑らかに速度を高める。

 そして全長を4695mm、全幅は1800mmに抑え、最小回転半径も5.3mに収まるから混雑した街中でも運転がしやすい。

 その割に前後席とも居住性が優れ、荷室の容量にも余裕があるからファミリーカーとして便利に使える。

 価格にも触れておこう。輸入SUVのプラグインハイブリッドは、XC90T8が1009万円、GLC350e4MATIC Sportsは873万円、X5xドライブ40e・iパフォーマンスは968万円だ。

 アウトランダーPHEVは、Gナビパッケージが432万4860円、ビルシュタイン製ショックアブソーバーなどを備えたS Editionが478万9260円だから、プラグインハイブリッドの機能を充実させながら価格は輸入車の約半額だ。

 なおプラグインハイブリッドはエコカー減税で取得税と重量税が免税になり、申請をすればCEV(クリーンエネルギー自動車)補助金が一律に20万円交付される。

 これらの支援も受けると、アウトランダーPHEVは世界最高水準の環境技術と環境性能を備えながら、多くのユーザーが購入しやすいプラグインハイブリッドSUVになっている。

★     ★     ★

 渡辺陽一郎氏の分析においても、アウトランダーPHEVは欧州製高級SUVと互角以上の戦いを演じていることが明らかになった。

 ううむ、ますます魅力の高まったこのクルマ、最終章では開発者へのインタビューをお届けしたい。

横から見たアウトランダーPHEV

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