コンセプトモデルである「LF-ZC」のデザインテイストを取り入れ、2025年の上海モーターショーで初公開されたレクサス ES。2026年6月に待望の日本登場となった。SUV全盛の中、複数のパワーユニットを用意しセダン復権を狙う!!
※本稿は2026年10月のものです
文:山本シンヤ/写真:レクサス
初出:『ベストカー』2026年11月10日号
レクサス次世代電動車群の先陣を切る
1989年のブランド創設以来、LSとともに歴史を刻んできたレクサスの大黒柱が「ES」だ。
SUV全盛のなか、第8世代へと進化した新型は全高を110mmアップの1555mmに。セダンの合理性を保ちながら見晴らしのよさと乗降性を両立した「セダン復権」の意欲作である。
コックピットは水平基調の端正な仕立てだ。レスポンシブヒドゥンスイッチはタッチパネル全盛の今、ブラインド操作を見据えた道具としての配慮と美しさを両立。2950mmのロングホイールベースが生む後席空間は現行LS以上。解放感を持ちながらもセダンならではのパーソナルな居心地のよさは健在だ。
走り出してまず実感するのは、レクサスのDNA「静粛性と乗り心地」の本質的な進化。単に音を遮断して耳に圧迫感を覚えさせる「無響室」ではなく、車窓の風景と外の環境音が自然に調和する「心地よい静けさ」が徹底されている。
さらに「味磨き活動」で鍛え上げた強靭な体幹とAI-AVSの路面予測制御が組み合わされ、大径タイヤを履きながらも段差の入力をふっと丸め込み、目線をまったくブラさないフラットな乗り心地に驚く。
光るBEVの完成度 セダンへの回答と覚悟
パワートレーンはBEVの完成度が際立つ。前輪駆動の「ES350e」は、モーター特有の電撃的なダッシュを無闇にひけらかさず、大排気量自然吸気エンジンのように滑らかに速度を乗せていく。
ツインモーターの「ES500e」も俊足ながら、過剰な刺激ではなく大人のサルーンにふさわしい「ゆとりと余裕」に出力を使い、ダイレクト4による姿勢のフラット感も高い。
国内で本命になるであろうHEV「ES350h」は、THSシステムが第6世代に進化。街なかを流す領域ではモーターが力強く押し出し、ラバーバンドフィールも以前より少なめだ。
ただし、高速合流や登坂路で深く踏み込むと、高効率直4特有の濁音混じりのノイズが遠くから響くのは残念。それでも実燃費のよさと、道具としての仕立てのよさはとても魅力的である。
総じて言うと、決して派手な刺激ではなく、じんわり染みる安らぎと上質さ。セダンを諦めなかったレクサスの覚悟が、しっかりと息づいている。
【画像ギャラリー】後席は現行LS以上で、タッチパネル全盛なのに物理スイッチへ回帰!? 新型レクサスESの内装がコレ!(34枚)画像ギャラリー




































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