2017年8月3日、マツダCX-5とアテンザの小変更を知らせるリリースが発表された。
CX-5といえばマツダ車のラインアップのなかでデミオに次ぐ売れ筋車種(2017年6月の月販台数はデミオ4839台、CX-5が2811台、これに次ぐのはアクセラの1958台)。
そのCX-5の小変更の内容と、マツダの先進安全技術の考え方についてまとめてみた。
文:ベストカーWeb編集部
■マツダ車に順次搭載されていく先進安全技術
まず最初に今回の変更内容をまとめておくと、CX-5とアテンザの全車種にマツダの先進安全技術パッケージ「i-ACTIVSENSE」が標準装備されたという点となる(外観やパワートレーンに変更はなし)。
「i-ACTIVSENSE」とは、以下の技術のセットのことを指す。
◎アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)
◎AT誤発進抑制制御[前進時](AT車のみ)
◎先進ライト/CX-5「20S」「25S」「XD」、アテンザ「20S」「XD」はハイ・ビーム・コントロールシステム(HBC)、上記を除く全機種はアダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)
◎車線逸脱警報システム(LDWS)
◎ブラインド・スポット・モニタリング(BSM)
◎リア・クロス・トラフィック・アラート(RCTA)
◎スマート・シティ・ブレーキ・サポート[後退時](SCBS R)(AT車のみ)
◎リアパーキングセンサー(センター/コーナー)
◎ドライバー・アテンション・アラート(DAA)(アテンザのみ)
上記の技術群が「i-ACTIVSENSE」。これらの技術はすでにデミオ、CX-3には装備されており、今後マツダ車には順次装備されていく予定。
■マツダは何を狙っているのか
安全技術の内容を見ていくと、各メーカーの「自動車」に対する考え方が見えてくる。
これはあくまで「傾向」の話だが、たとえばトヨタやスバルはなるべく事故を減らしたいと考えているし、日産は「運転中のストレスを減らす」という方向性を伸ばそうとしている。
ホンダはそれらのバランスを取りつつ「まずはそういう技術を普及させよう」という考えを持っているので安い車種にもバンバン設定していこうとしている。
ではマツダはどう考えているか。
「運転の楽しさを、なるべく長いあいだ味わえるようにしたい」というのがマツダの考え方のようだ。
たとえば、歳をとるとどうしても視力や運動能力、反射神経は衰えてくる。しかしそれをサポートする機能が車にあれば、長く運転を楽しむことができる。
そのいっぽうで、「自動運転技術」は「安全」をもたらすけれど、そのいっぽうで「運転する楽しさをドライバーから一部奪う技術」であることも否めない。だからマツダはあくまで「運転支援技術」を拡充させようとしている。
「走りの楽しさ」こそが自動車の魅力の最大のポイントであり、それをなるべくユーザー(ドライバー)の手元に引き寄せておきたい、ということなのだろう。
こういう技術の方向性の違いは、そのまま各メーカーが、それぞれ【自動車というものはどういう存在だと考えているか】がわかるので、車好きはちょっとだけ突っ込んで考えてみるのも面白いのではないでしょうか。
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