名門ボルボの大黒柱 自慢の新HVは新旗手となるか?? XC60 B5試乗

 2020年4月、ボルボのSUV XC60およびXC90に新グレード「B5」が加わり、このほどXC60 B5への試乗の機会を得た。

 年々厳しさを増す世界の環境規制の只中にあって、ボルボでは、2025年までに世界販売台数の50%を電気自動車、残りをハイブリッド車(PHEV、48Vハイブリッド)とする目標を掲げている。

 その達成のため導入が開始されたのが新型の48Vハイブリッド・パワートレーンであり、「48V」搭載の新グレードが「B5」、ということになるわけだが、肝心なのはその実力。

 自動車評論家 鈴木直也氏がリポートしてくれた。

【画像ギャラリー】環境規制新時代のスタンダードになる?? ボルボXC60 B5試乗の様子をギャラリーでチェック!!!

※本稿は2020年6月のものです
文:鈴木直也/写真:ベストカー編集部/撮影:平野 学
初出:『ベストカー』 2020年7月26日号


■ボルボのマイルドハイブリッド「48V」の実力はいかほど?

 ボルボXC60に加わった“B5”は、「2025年までに新車を100%電動化する」という公約を果たすための重要プレイヤーだ。

ボルボ XC60 B5

 ベースとなったのは2Lターボ250ps/350NmのT5だが、48Vリチウムイオンバッテリーを搭載したマイルドハイブリッドシステムを追加。

 気筒休止システムの追加やフリクション低減などで、CO2排出量をさらに低減するモデルとなっている。

「ボルボは全モデルを電動化させる最初のプレミアムブランドになる」と標榜しているのだが、そのうえで重要となる48Vマイルドハイブリッド

 ただ「ユーザー目線で新しい48Vマイルドハイブリッドはどうよ?」と問われると、ぶっちゃけ「すまん。あんまり違いがわからなかった」というのが正直なところだ。

250ps/35.7kgmの直4、2Lターボに10kW/40Nmのモーターをプラス。WLTCモードは11.5km/Lをマーク

 エネルギー回生能力が高まっているから、アイドル停止時間や発進時のアシストなどでは標準モデルより「ハイブリッドっぽい」感じはある。

 が、走っちゃえばいつものXC60と変わらぬ快適なドライブフィール。

XC60では最も売上比率の高いインスクリプショングレード。ベンチレーション付きのファインナッパレザーシートを装備する
通常のXC60とメーター上での違いはほとんどなく、タコメーター内下に位置する燃料計の上に回生時の表示が出るのが唯一の違い

 荒れた路面でも滑るように走るシルキーな走行感覚は、上質というより上品というイメージ。

 デザインもそうだが、プレミアムクラスSUVのなかで最もスタイリッシュでエレガントなキャラクターが魅力的だ。

 そもそも、48Vマイルドハイブリッドには賛否両論があって、賛成派は従来パワートレーンへの追加だから導入がしやすいと言い、否定派はコストは安いが費用対効果という面ではメリットが少ないと言う。

 まぁ、XC60B5のWLTCモード燃費は11.5km/Lだから、確かにCO2削減面でのコスパはよろしくないが、そんなことはボルボも先刻承知だと思う。

 ボルボにとっては、48Vシステムの搭載は自らが世界と約束した義務を果たすための手段。多少コストが高かろうと、環境のためには譲れない作業だったんでしょうね。

B5の場合、インスクリプショングレードには、スウェーデンのオレフォス社製クリスタルシフトを採用するのが通常のXC60と違う点

■ボルボ XC60 B5 インスクリプション 主要諸元
・全長×全幅×全高:4690mm×1900mm×1660mm
・ホイールベース:2865mm
・車両重量:1890kg
・エンジン:直4、2L DOHCターボ+モーター
・総排気量:1968cc
・最高出力:250ps/5400~5700rpm
・最大トルク:35.7kgm/1800~4800rpm
・ミッション:8AT
・駆動方式:4WD
・WLTCモード燃費:11.5km/L
・価格:734万円(税込) ※モメンタムは634万円、

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