FFスポーツモデルの頂点へ
その後、3シリーズのコンパクトハッチ「ti」は、2004年に、1シリーズへと発展。独自路線を歩むことになる。つまり、新生「ti」は往年のスポーツモデルとBMWコンパクトの両方の歴史を受け継ぐ正統派として復活を果たそうとしているのだ。
BMWは、新しい「ti」を「単なる新しい1シリーズのバリエーションではない」と明言する。そのポジションは、1シリーズの最上位モデル「BMW M135i xDrive」の次ぐものだというから、そのスポーツ度の本気が伺える。
エクステリアデザインは、Mエアロを纏う「M135i xDrive」と似たMスタイリングのものだが、各部に専用のフィッシュが加えられている。
キドニーグリルはハイグロスブラック仕上げとなり、ミラーキャップもブラック化。前後バンパーのサイドスリットとサイドシルスポイラーに赤を配することで、スポーティさを強調。
さらにサイドシルスポイラーには、赤い「ti」レタリングが躍る。かなり軽快かつ若々しい装いだ。
ただし、ボディ色にメルボルンレッドかミサイノブルーを選んだ場合は、アクセントパーツとバッチカラーは、ブラックに置き換えられるという。
レッドステッチが入るスポーティなインテリア
初公開となるインテリアにも、他モデルとは少し異なり、アクセントカラーとして赤を積極的に採用。
ステッチやセンターコンソールボックス上の「ti」ロゴ、シート表皮のストライブデザインなどが赤色で統一されている。シートはスポーツシートとなり、ステアリングもMスポーツデザインが標準となる。
ゴルフGTIを上回る265hpの2L、直4ターボを搭載
注目のパワーユニットは、新開発の2L、直4DOHCターボを搭載。これは、M135i xDriveから派生したユニットだという。
最高出力は265hp/4750~6500rpm、最大トルクは400Nm/1750~4500rpmを発揮。これに8速スポーツATが組み合わされる。
0-100km/h加速は、6.1秒と公表されている。最高出力と加速性能では、M135iには遠くおよばないが、128tiは車両重量が1445kgに留められており、約80㎏も軽量という武器があるのだ。
BMWによれば、この新しい前輪駆動のスポーツカーは、典型的なBMWの駆け抜ける喜びに焦点を当てた、特に若者をターゲットしたモデルだという。
そのために、足元には、10mmローダウン化を図り、専用チューニングを加えたMスポーツサスペンションと機械式トルセンリミテッドスリップデフを標準化。
ステアリングやサスペンションも専用チューニングが施される。アンチロールバーとブレーキシステムは、M135i xDriveから受け継がれ、軽量なMホイールと225/40R18のミシュランパイロットスポーツ4を装着している。
2シリーズのMPVからスタートしたBMWの前輪駆動車は、正直、スポーツ性という点ではイマイチであった。
ところが新型1シリーズの登場で、BMW流のFFテイストが見えてきたように感じられる。
事実、MINIのJCWも最新世代でひと皮むけた感があり、その経験も活かされているのだろう。tiの復活は、FFでもBMW風味が出せるという強い自信の表われともいえる。
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