■来年3月、一気に王座奪還を狙うセレナ
いっぽうセレナは出荷を再開したものの、停止期間分のバックオーダーが多数たまっている状況。11月下旬以降、新規に受注する分の納期はステップワゴンHVと同じ約2カ月となっている。
セレナは今後しばらくはこうした納車待ちの状況が続くので、ヴォクシー、ステップワゴンに登録台数で追いつくのは来年1月下旬以降になる見通しとなる。
しかしながら、セレナは「e-POWER」を投入する来年3月以降、この勢力図がガラリと変わる可能性がある。
日産販売店各社はe-POWER車の発売待ちユーザーを多数抱えているので、発売されると一斉に登録が可能になり、一気にヴォクシー、ステップワゴンを追い越す可能性がある。
車両本体にディーラーオプションナビ、ETCを装着した場合の平均値引き額はヴォクシー/ノア25万円、エスクァイア23万円、ステップワゴン1.5ターボ27万円、ステップワゴンHV20万円、セレナ26万円程度となっており、実勢の価格帯はステップワゴンHVを除けばほぼ同じレベルである。
■ヴォクシーの証言1(首都圏ネッツ店営業担当者)
7月のマイナーチェンジでヴォクシーの売れ行きは多少回復しているが、前年水準を上回るまでに至っていない。現時点ではまだステップワゴンHVとの競合件数は少ないが、今後本格的な販売になれば、多少食われる可能性がある。
セレナはe-POWER車発売後の来年4月以降に抜かれるかし知れない。こちらのほうが脅威になると予想している。
■ノアの証言2(首都圏カローラ店)
ノアに関していえば、ステップワゴン、セレナよりも兄弟車ヴォクシー/エスクァイアのほうが競合件数は多い。商品内容は同じだから、条件で勝負になりやすく、こうなると大幅値引きが発生する確率が高くなる。
ノアは7月にマイナーチェンジしたが、販売台数はあまり回復している印象はない。
■エスクァイアの証言3(首都圏トヨタ店&トヨペット店)
ヴォクシー/ノアは兄弟車だが、こちらは上級志向でコンセプトが異なるので競合件数は少ない。
ただトヨタ店、トヨペット店は併売だから、競合し易いが先に見積もりを取り商談した方に優先権がある、といった暗黙の取り決め的な慣習がある。
■ステップワゴンの証言4(首都圏ホンダカーズ店)
ステップワゴンはこれまで1.5ターボのみだったので、ライバル他車に比べると格下の感があった。
しかしスパーダHVは2Lでより低燃費、高性能が売りにできるので、今後は勝てるようになると期待している。同クラスのトップ奪還が可能になると期待している。
■セレナの証言5(首都圏日産店)
完成検査の不備問題と一時的な出荷停止によるダメージが大きい。完全に回復するまで、2ヶ月以上はかかるだろう。e-POWER車の発売に対する問い合わせが増えているので、発売になる来年3月以降は巻き返しが可能になると期待している。
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