和製大型クルーザーがついに巨人ハーレーを倒す!? ホンダレブル1100発表


 2輪界隈でデビューがウワサされていたレブル1100が、ついに正式発表! 日本では来春の発売が予定されている。立ちはだかるは、巨人ハーレー。大型クルーザー界で長きにわたって圧倒的な強さを誇る絶対王者だ。

 レブル1100がハーレー帝国をついに突き崩すのか!? それともハーレーがはね除けるのか!? クルーザー界の覇権を巡る戦いが、いよいよヒートアップする。

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文/市本行平、写真/HONDA、YAMAHA、HARLEY-DAVIDSON


レブル1100がアメリカでデビュー! 大ヒット250と同じスタイルを踏襲

 北米と欧州でニューモデルのレブル1100が発表された。日本では来春の発売が見込まれている。このレブルはクルーザーと呼ばれ、ロー&ロングなフォルムで、直線路を悠然とクルージングするのが似合うバイクのいちジャンルに属したモデル。2017年にレブル250とレブル500が先に発売されており、満を持してのビッグバイク進出となる。

 2019年は、欧州でレブル500がクルーザーで3位の販売台数を記録、日本国内ではレブル250がベストセラーという成功を収めているモデルだけに、1100のスタイルは250/500と瓜二つ。

 独特のタンク形状や極太フロントタイヤの「ボバー」スタイルをそのまま踏襲し、さらなる勢力拡大を目論んでいるようだ。価格は米国で9299~9999ドル(約97~105万円)で、ハーレーダビッドソンのスポーツスター1200ccシリーズよりも安い。日本においては、ハーレーの販売上位はスポーツスターが占めており、この牙城に食い込むことも考えられるだろう。

新型レブル1100のデュアルクラッチトランスミッション仕様。色はメタリックブラックとボルドーレッドメタリックが用意されている。日本では2021年3月発売の見込みだ。
こちらは日本ですでに発売されているレブル250。この2020年型からヘッドライトがLEDとなったが1100も同じLED4灯式だ。フレームやタンクまで徹底的に同一イメージとしている。

 そして、この新型レブル1100を語る上で外せないのが、ホンダモデルで普及率が急速に高まっているDCT(デュアルクラッチトランスミッション)の設定があること。

 これは、簡単に言うとクラッチ操作が不要になる機構で、さらに電子制御でギアチェンジも自動で行ってくれるATモードも備えている。

 また、従来からのDCTに加え、スポーティに走りたい時のプログラムや雨の日に安心して走りたい時のプログラムなど、変速の仕方をエンジンの出力特性などとともに調整してくれる最新の制御も盛り込んでいる。定評あるレブル独自のシンプルなボバースタイルに先進技術も加わって、人気を後押しする武器になりそうだ。

こちらはレブル1100。シート高は700mmでレブル250の690mmからわずか10mmしか高くなっていない。足着き性がいいのもレブル250のヒットの要因で、その美点も引き継いでいる。
レブル1100のDCTなしモデルのメーター。P=パワー、T=トラクションコントロールなど、電子制御によるライディング支援技術が盛り込まれている。

 ビッグレブルのエンジンは、オフロード系ツーリングモデルのCRF1100アフリカツインの並列2気筒1084ccを使用したもの。元々鼓動感に優れたフィーリングだったが、さらにフライホイールマスを34%増やすなどしてクルーザー向けにリファインしている。

 気筒配列はクルーザーのお決まりのVツインではないが、ホンダは新型クルーザーの開発において長らくその選択をしておらず独自路線を突き進んでいる。果たして大型クルーザーが非Vツインで成功するのか? 250/500の成功例もあるだけに今回は期待せずにはいられない。

いつの間にかほとんど消えていた和製クルーザーたち

 クルーザーとは…などとまどろっこしい説明をするまでもなく、「ハーレーみたいなバイク」でお分かりいただけるだろう。ゆったりとした乗り味、足着き性の良さなどで、女性にも受け入れられやすいカテゴリーだ。

 そのものズバリ「アメリカン」とも呼ばれ、アメリカ生まれのハーレーダビッドソンが代名詞。クルーザーカテゴリーにおいて、ハーレーは圧倒的な存在感を放っているのだ。

 かつて、和製クルーザーが盛り上がったこともあった。1988年発売のホンダ・スティードが和製クルーザーブームの立役者と言えるだろう。ヒットの理由は主にふたつある。ひとつは、エンジンをVツイン(V型2気筒)としたことだ。

 国産勢はそれまで、クルーザーカテゴリーにおいてはスポーツモデルを改造するだけで主に並列2気筒エンジンや並列4気筒エンジンのモデルをリリースしていた。だが、それらは「ジャパニーズアメリカンカスタム」などと差別され、冷ややかな目で見られることもあった。

1980年発売のCB750カスタムエクスクルーシブは、前年のCB750Fがベースで中身は当時バリバリのスーパースポーツ。和製クルーザー黎明期はコンセプトがチグハグだったりした。

 クルーザー=ハーレー。ハーレー=空冷ビッグVツイン。すなわち、クルーザー=空冷ビッグVツイン。保守的なクルーザーカテゴリーにおいて、この図式はあまりに強固な鉄壁だったのだ。

 スティードはこれまでと同じようにありものを改造するのではなく、いちからクルーザーモデルを検討し、ハーレーと同じVツインを採用。水冷ではあったが、空冷に見えるフィンを装備してヒットに結びついた。

1988年発売のスティード(400)はエンジンを空冷に見せるだけでなく、より本物志向を徹底するため位相0度の同ピンクランクとし、性能や快適性ではなく鼓動感や排気音の迫力を優先した。

 もうひとつの理由は、大型二輪免許が限定解除と呼ばれ警察の試験場でしか取得できなかった高嶺の花だった時代に、400ccも登場させたことだ。“本物”のビッグVツインではなくても、400でそれなりにクルーザームードを味わえる。これが若者層の人気を呼んだ。

 バイク界の一大ムーブメントだったレーサーレプリカブームが終わっていたことも幸いし、スティードはベストセラーになったのである。1996年にはヤマハ・ドラッグスター(400cc)が発売され、やはり人気に。ドラッグスターは後に1100ccなどラインナップを増やした。

XVS400ドラッグスター(写真は2005年型)は、スティードと同じコンセプトで追随するだけでなく、ドラッグマシンイメージのスポーティなスタイルと“本物”の空冷エンジンで対抗した。

 しかし、和製クルーザーは定着しなかった。当時のクルーザーユーザーが追い求めた本物志向の行き着く先は、結局ハーレーダビッドソンでしかなかったのだ。ハーレーでなければならないとすれば、どうあがいても国産勢は太刀打ちできない。

 1996年、大型二輪免許が教習所で容易に取得可能になると(日本での販売増を狙いハーレーが圧力をかけたとされるのだが、この話はまた別の機会に)、“なんちゃって”ではない“本物”がより身近になり、ハーレーの販売台数は躍進。和製クルーザー=ジャパメリカン市場はほぼ消滅したのだった。

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