エボリューションといえば三菱は外せない。
本稿では復活を目指す三菱自動車にとって、同社のブランド価値を高めるために不可欠な「エボリューション戦略」に関して、これまで本誌ベストカースクープ班が掴んできた情報に新情報を加え、整理してお届けします。
文:ベストカー編集部
ベストカー2018年1月26日号「ニッポンの反撃 EVOLUTION時代がやってくる!」より
■「ピュアEV」は次の次! まずはPHEVでエボが登場する
ランサーエボリューションが2015年8月に生産を終了し、以降、スポーツモデルに関して沈黙を続けてきた三菱だが、日産ルノーグループ入りしたことで状況は一変。
益子修社長が会見で「いつかパジェロ、ランエボの開発に挑戦したい」と発言し、2017年の東京モーターショーではコンセプトカーとはいえ久しぶりに「エボリューション」の名前が付いたモデル、「e-エボリューションコンセプト」を出展するなど、明らかに風向きが変わってきている。
実際、三菱の電動エボリューション戦略は具体的に動き出しており、PHEV+S-AWCがその復活第一弾となる。
昨秋の東京モーターショーに出展していた「e-エボリューションコンセプト」は3モーターのピュアEVだったが、それは「この次」という位置づけだろう。
現在、市販化を目指し開発中の電動エボリューションがどんなクルマかは、2016年のパリモーターショーに出展した「GT-PHEVコンセプト」を見ればほぼわかる。
フロント1基、リア2基のトリプルモーター方式のフルタイム4WDで、エンジンは主に発電用として使われるシステム。「GT-PHEVコンセプト」ではEVで120kmの航続距離があり、ガソリンエンジンと併用での総航続距離は1200km。
エンジンの排気量やモーターの容量などは未発表だが、この航続距離は実際の開発目標とされているという。
さらに注目すべきは三菱得意の車両運動統合制御システムS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)の進化で、速度、路面状況、ドライバーの意図などに応じて最適な駆動力を発揮。
三菱が長年開発を続けてきた4WDシステムだが、その最新バージョンが搭載される。
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