「けもフレ フィット」登場! こうした「想い」こそ現代のクルマに必要ではないか!!!!!!!!


 東京オートサロン2018(1月12〜14日/幕張メッセ)ホンダアクセスのブースに登場した「けもフレ フィット」に感激した読者諸兄も多いのではないでしょうか。はい。本企画担当のことですすみません。

 今から約1年前、2017年1〜3月にテレビ東京系列で放送されたアニメをはじめ、コミック・ゲーム・舞台・動物園コラボ等、様々な展開を広げる『けものフレンズプロジェクト』。

 今回その『けものフレンズプロジェクト』とクルマ界初のコラボレーション作品として登場したのがコンセプトカー「けもフレ フィット」。

 完成度が高く、会場に詰めかけた「けもフレファン」も納得のコンセプトカーで、本企画担当、一発で「これはいい!」と虜になってしまいました。

 そんな「けもフレ フィット」を会場でじっくりチェックして、「青空の下で見たい!」&「作った人に話が聞きたい!」と熱望した本企画担当。

 東京オートサロンが終了してまもなく、ホンダアクセス様に取材依頼を送付。待つこと1カ月、やっと念願かなって撮影&開発者インタビューが叶いました! 

 お話しを伺ってみれば、やはりというか想像以上というか、「こだわりぬいた逸品」であることが分かりました!

 さっそくインタビュー記事をご紹介しますが、当企画の全原稿量7000字以上! 長すぎる!! すいません!!!!

※ なお本記事は『けものフレンズ』を見ていないとよくわからないうえに、ネタバレも含みます。未見の方は今すぐ見ましょう。名作です。「けものフレンズBD付オフィシャルガイドブック」全6巻が発売中
※2 本文の最後に読者プレゼント企画があります。長すぎてキレた方は最後まで飛ばしてご応募ください(応募締切しました。

文:ベストカーWeb編集部 写真:西尾タクト


取材場所:埼玉県新座市 ホンダアクセス本社
取材相手:ホンダアクセス商品企画部・浜田周平氏、高橋勝実氏、山田真司氏、竹腰環樹氏
聞き手:ベストカーWeb編集部

■「アニメ好きはマイノリティ」という思い込み

ベストカーWeb編集部(以下、編集部) 本日は取材を受けていただき、本当にありがとうございます。アニメ『けものフレンズ』放送から約1年がたちました。

 今年の東京オートサロン2018(1月12〜14日)に出品された「けもフレ フィット」は、いつ頃から企画がスタートしたのでしょうか?

フロントエンブレム、ステッカー、ルーフキャリアと、しっかり「世界観」を反映している「けもフレ フィット」
フロントエンブレム、ステッカー、ルーフキャリアと、しっかり「世界観」を反映している「けもフレ フィット」

高橋勝実氏(以下、高橋氏) 2017年10月からですね。企画自体は9月……というか、8月末からあったのですが、本格的に動き出したのは10月からです。

編集部 そんなに手前だったのですね。実質的に(オートサロン開催までの)3カ月で作ったということですか。最初のキッカケ、「こういうクルマを作ろう」という話になった端緒はなんだったのでしょうか?

浜田周平氏(以下、浜田) 私は「企画立案/プランナー」のような職種についているのですが、世の中の動きを見ていて、「実はアニメ好き」という人がすごく増えているなぁと実感したんですね。

 少し上の世代ですと「アニメ好きはマイノリティ」という思い込みがありますし、消費者調査などの一般的なアンケートではなかなか出てこない話なんですけど、「実はそれなりに好き」という人はたくさんいるだろうと、そう思っていました。

編集部 「カミングアウトはしていないけど、実は好きな人がたくさんいるだろう」という確信があったわけですね。

右からホンダアクセスの高橋氏、山田氏、竹腰氏(浜田氏は「自分は裏方なので……」と顔出しなし)
右からホンダアクセスの高橋氏、山田氏、竹腰氏(浜田氏は「自分は裏方なので……」と顔出しなし)

浜田 自動車業界だとさらに少ないとは思うんですけど、そういう思いはありました。

 それで、「何かクルマに興味がない人でも振り向いてもらえるような企画はないか」、「80年代、90年代に比べて、ホンダが若者に対して存在感を示せていないなかで、何かインパクトのある商品を提案できないか」と考えていって、「アニメなど若者に支持されている作品とのコラボがいいんじゃないか」と思い立って企画させていただきました。

 それと単純に「メーカーが痛車を作ったら面白いんじゃないか」という発想もありました。

編集部 「企画立案から出品まで3カ月」というのはかなり急な話に思えるんですが、よくあることなんでしょうか。

山田真司氏(以下、山田氏) いやあ……しかもクルマを作る作業に入ったのって12月からなんですよ……。

編集部 はい?

山田氏 それまでは、なんというか、どういうクルマにするかだとか、本当にこれでいいのか、という詰めに時間がかかって、実質的に1カ月で作ることになりました。

浜田氏 当日の朝まで作っていましたね。「あぁ……これはもう間に合わないかもしれない……謝罪リリースを出さなきゃいけないか……」とも思いました。

編集部 先行して出展概要が発表されていて、そこに「けもフレ フィット出品予定」と書かれていたので、会場になかったら相当多くの人がガッカリしたと思います(私とか)。無事完成して、なぜだかいまホッとしています。

浜田氏 普通だったらできないスケジュールだと思うんですが、デザイナーとモデラーが優秀だったおかげで間に合いました。

■『けものフレンズ』以外はありえない、と

編集部 簡単な製作の流れ、企画開始から完成までの工程を教えていただけますか?

高橋氏 ざっくりと言いますと、最初に浜田さんから「アニメ好きって結構たくさんいるので、そういう人たちにも響く、それでいて乗りやすいコンセプトカーを作ってみませんか」という提案がありまして、そこでスケジュールがあいている人間が手を挙げて、そのなかで「どの作品にするか」と「どのクルマをべースにするか」を詰めていきました。

編集部 そこで「『けものフレンズ』でやりたい」と決まったと。

高橋氏 決まりました。

編集部 ほかの作品とかは。

浜田氏 『けもフレ』1本でしたね。「ホンダとして若い人の気持ちを獲りに行くにはどの作品がいいか」を考えると、『けものフレンズ』以外はありえない、というところまで固まっていました。

編集部 実際には、「『けもフレ』とコラボしよう」となったら、次はどういう作業になるんでしょうか。

山田氏 世界観が決まったら、あとはウチの商品でそれに合うものを探す作業ですね。イチから作る時間はないので、『けものフレンズ』の世界観に合った使えるパーツやカラーを探して、それでもない、どうしても必要なものは作って。

高橋氏 そうやって固めていくのはそれほど難しい話ではないんですが、ただ「版権の範囲内でどこまでやれるか」というのが難関なんですね。どこまでやっていいか、という話です。

編集部 「『けものフレンズ』をコンセプトカーに使いたい」という話は「けものフレンズプロジェクト(以下KFP)」とスムーズに進んだんですか?

浜田氏 最初にお話をお持ちした時は、自動車メーカーとしては初めてだということで、いい感じで話が進みました。

こういうコラボは当たったり滑ったりするものなのですが、私は「これは大丈夫」という確信がありましたので、キャラクターの使用契約を(「東京オートサロンのみで使用」という契約も出来たけれど)「1年間」でお願いしています。

編集部 好判断だと思います。

浜田氏 ありがとうございます。ただ「どこまで作り込めるか」というと、やっぱりKFPさんとのやり取りのなかで決めていかなくてはいけないんですね。例えばサーバルのシートの柄はどこまでやっていいかなど。

高橋氏 その点では、KFPさんには相当協力してもらいました。でないとあのクルマはできなかったんじゃないかな。

編集部 それは、具体的にはどうやって進めるものなんですか?

山田氏 デザインができたら送って、生地サンプルを送って、モノができたら写真を送って、それぞれOKが出たら進める、という確認作業を各パーツごとに。

編集部 か、各パーツごとに。

浜田氏 スケジュールが迫っていたのでほぼ毎日チェックしていただきました……。本当に申し訳ないことをしました。

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